コラム3 地域に笑顔と賑わいをもたらす女性たちの起業の事例

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コラム3

地域に笑顔と賑わいをもたらす女性たちの起業の事例


山口県萩市三見は,日本海に面する人口約1,300人の小さな町だ。人口減少が進み,高齢化率は46%を超える。

山口県漁業協同組合三見支店女性部では,20年近く前から,毎月,高齢者とふれあうイベントを行っているが,その中で,高齢者の方々が,「足が不自由で買い物が大変」,「独り身だから食事作りが面倒」等,毎日の食事にとても不自由していることを知った。

そこで目をつけたのが,地元の雑魚だった。サイズや種類のそろわない魚等,市場価値のほとんどない魚を加工して弁当や惣菜を作り,地域で販売したり高齢者の方々に配達したりすれば,漁業者の収入の足しになる上,地域福祉にも貢献できると考え,出資者を募って,平成18年に「三見シーマザーズ」を立ち上げた。

当初,高齢者9名への弁当の宅配や,事業所への弁当・惣菜の販売を行っていたが,地元の魚を活かして漁協の女性が腕を振るう料理は評判を呼び,しばらくして,三見に道の駅ができる際,「レストランを出店しないか」という話が舞い込んだ。地域活性化につながるならと引き受け,接客研修や調理機器の準備等を経て,平成22年にレストランをオープンし,組織も法人化した。レストランは新鮮な地元の魚の刺身がメインの定食が看板メニューで,レストランを目当てに遠方から来る客も現れるようになり,今では年間約1万7,000人に利用されている。従業員15人は全員三見から採用し,地元の貴重な雇用機会となっている。

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