第1節 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策の推進

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第5章 雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保

第1節 雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保対策の推進

1 男女雇用機会均等の更なる推進

(1)女性の就職問題に関する施策の推進

厚生労働省では,女子学生等が的確な職業選択が行えるよう,意識啓発を図っている(第12章第2節3参照)。

また,募集,採用における男女の均等な機会の確保を図るため,企業の採用担当者等に対して男女雇用機会均等法に沿った男女均等な選考ルールの徹底を図るとともに,法違反が認められる企業に対しては是正指導を行っている。

文部科学省では,平成25年度以降の大学等卒業予定者の就職・採用活動のルールを協議する際に,男女雇用機会均等法の趣旨に沿った採用活動を行うよう,企業側に要請を行った。また,新規中学校・高等学校卒業者の就職についても,文部科学省と厚生労働省の連名の通知により,経済団体等の関係者に対して男女雇用機会均等法の趣旨に沿った採用活動が行われるよう,配慮を依頼した。

内閣府では,関係省と連携し,女子高校生・学生等を対象に,女性の進出が遅れている理工系分野に関する情報提供等を実施している(第13章第3節参照)。

(2)男女雇用機会均等法に基づく行政指導及び関係法令等の周知啓発

厚生労働省では,平成25年12月に,間接差別として禁止されている措置の範囲の拡大等を内容とする雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則(昭和61年労働省令第2号)の改正,セクシュアル・ハラスメントの予防・事後対応の徹底の観点から「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき措置についての指針」(平成18年厚生労働省告示第615号。以下「セクハラ指針」という。)の改正等を行った。企業における男女均等取扱い等を確保するため,男女雇用機会均等法について,改正内容も含め,労使を始め関係機関に対し,周知・啓発を実施している。また,企業を訪問し,雇用管理の実態を把握するとともに,性別による差別的な取扱いや妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い等,男女雇用機会均等法に違反する雇用管理の実態が把握された企業に対して,是正指導を行っている。

(3)コース等別雇用管理指針の周知徹底

厚生労働省では,平成25年12月に,従来,通達で示してきた内容を盛り込んだ「コース等で区分した雇用管理を行うに当たって事業主が留意すべき事項に関する指針」(平成25年厚生労働省告示第384号。以下「コース等別雇用管理指針」という。)の制定を行った(平成26年7月1日施行)。引き続き,コース等で区分した雇用管理制度を導入している企業に対して,実質的な男女別雇用管理とならないよう,コース等別雇用管理指針の周知徹底を図るとともに,男女雇用機会均等法に違反する企業に対しては是正指導を行っている。

(4)個別紛争解決の援助,相談体制の充実

厚生労働省では,性別による差別的取扱い,妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い,セクシュアル・ハラスメント,母性健康管理措置等に関する労働者と事業主との間の紛争について,都道府県労働局長による紛争解決の援助及び機会均等調停会議による調停により,紛争の円滑かつ迅速な解決を図っている。

また,これらの措置が十分活用されるよう,紛争解決援助制度について,労働者等に積極的に周知している。

2 男女間の賃金格差の解消

厚生労働省では,男女労働者間の格差について企業内での実態把握や取組の必要性の「気づき」を促す「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」(平成22年8月)や「ポジティブ・アクションを推進するための「見える化」支援ツール」の作成,普及・啓発により,企業の自主的な取組を支援している。

3 セクシュアル・ハラスメントに関する雇用管理の改善の推進

厚生労働省では,事業主のセクシュアル・ハラスメントに関する雇用管理上の措置義務を徹底するため,男女雇用機会均等法及びセクハラ指針の内容について,平成25年12月の改正内容も含め,周知・啓発を図るとともに,措置を講じていない企業に対しては是正指導を行っている。さらに,専門知識を持った雇用均等指導員を都道府県労働局雇用均等室に配置し,労働者及び企業等からの相談に適切に対応している。