コラム6 指導的地位に就く女性の増加に向けた男性リーダーの取組(オーストラリア)

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コラム6

指導的地位に就く女性の増加に向けた男性リーダーの取組(オーストラリア)


オーストラリアでは,2010(平成22)年4月,指導的地位に就く女性の数を大きく増やすことを目的として,主要企業のCEOや政府高官等を含む男性のみで構成される「Male Champions of Change(変革を担う男子チャンピオンの会)」が立ち上げられた。2013(平成25)年時点では,メンバーに21名が名を連ねている。発起人であるオーストラリア人権委員会性差別担当コミッショナーのエリザベス・ブロデリック氏は,各界の男性リーダーに対して,彼らの影響力を女性のために活用してほしい,彼らの娘が息子と平等な機会を得られる社会のためにと訴え,就任を依頼した。

なぜ男性なのか─。背景には,多くの企業で人的資源や財源を握るのは男性であり,男女平等を実現するためには男女両方が取り組むこと,とりわけ男性が賛同し,行動を起こすとともに,他の同僚男性にもその大切さを伝えることが重要であるという考えがあった。

発足後,同会では,国内の企業トップ宛に女性リーダーを増やすことを促す15万通の手紙を送付したり,企業による女性登用の目標や達成状況の情報公開を,自主的な取組から義務化することを提案・実現した。

同会での議論を受け,ある民間企業では2014(平成26)年から,約4万人の雇用者について柔軟な働き方を適用することを決定したり,参加している男性リーダーの企業・組織が,調達において男女平等を取り入れている企業を優先することで合意し,年間の調達額延べ300億豪ドルに影響を及ぼす可能性があるなど,女性の活躍推進に向けて具体的な行動変化が進められている。