第5節 医療分野における女性の参画の拡大

本編 > 第2部 > 第11章 > 第5節 医療分野における女性の参画の拡大

第5節 医療分野における女性の参画の拡大

1 医療関係者の仕事と生活の調和の確保,就業継続,再就業支援

厚生労働省では,子育て中の女性医師や看護職員の離職を防止するための病院内保育所に対する支援,ナースバンクでの求人・求職情報の提供や就職あっせん等の再就業支援等を行っている。これに加え,医療従事者の「雇用の質」を図るため,短時間正規勤務職員制度の導入の好事例の周知や,業務効率化,多様な働き方の導入等の職場風土の改善に向けた都道府県の取組への支援等,仕事と生活の調和を促進させる施策を行っている。

2 女性医師が能力を発揮しやすい条件整備

近年,医師国家試験の合格者に占める女性の割合が約3分の1に高まっており,女性医師が,出産や育児といった様々なライフステージに対応して,安心して業務に従事できる環境の整備が重要である。

厚生労働省では,出産や育児等により離職している女性医師の復職支援のため,都道府県に受付・相談窓口を設置し,研修受入れ医療機関の紹介や復職後の勤務形態に応じた研修を実施している都道府県に対し,財政的に支援している。また,女性医師バンクにおいて,就業あっせん等の再就職事業を行うとともに,再就職後も継続して勤務できるよう支援し,より働きやすい環境の整備も推進している。

文部科学省では,周産期医療に関わる人材の育成の一環として,新生児特定集中治療室(NICU)等で働く女性医師の勤務継続・復帰支援を行っている。

3 医療従事者全体の更なる専門性の発揮

患者・家族を中心とした質の高い医療を実現するために,多種多様な医療スタッフがそれぞれの高い専門性を活用し,互いに連携・補完しながら,患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」を推進することが重要である。厚生労働省では,平成22年5月から医師・看護師等,教育関係者,市民,法学者等様々な立場の有識者から構成されるチーム医療推進会議で,我が国の実情に即した医師,看護師等の協働・連携の在り方について検討を進めている。