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第1節 教育分野における男女共同参画
(女子の大学進学率は上昇傾向)
平成24年度の学校種類別の男女の進学率を見ると,高等学校等への進学率は,女子96.8%,男子96.2%と,女子の方が若干高くなっている。大学(学部)への進学率を見ると,男子55.6%,女子45.8%と男子の方が10ポイント程度高いが,女子は全体の9.8%が短期大学(本科)へ進学しており,この短期大学への進学率を合わせると,女子の大学等進学率は55.6%となる。近年,大学(学部)への女子の進学率が上昇傾向にある一方で,短期大学への進学率は6年度の24.9%をピークに減少を続けている。
大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,平成24年度では男性15.4%,女性6.2%となっている(第1-7-1図)。
なお,平成24年度における高等教育段階の女性の割合は,大学の学部43.0%,大学院(修士課程)29.8%,大学院(博士課程)33.0%となっている。
(高等教育在学率の国際比較)
我が国の女性の高等教育在学率は,他の先進国と比較して低い水準になっている(第1-7-2図)。また,韓国を除く他の国では,男性より女性の方が在学率が高くなっているが,我が国では逆に女性の方が在学率が低いという状況にある。
(専攻分野別に見た男女の偏り)
平成24年では,大学(学部)における女子学生で最も多い専攻分野は25.9%の社会科学分野であり,社会科学分野専攻の学生を男女別に見ると, 3割以上が女子となっている。また,工学分野を専攻する女子学生は,工学分野専攻の全学生の11.7%となっている一方,人文科学分野を専攻する女子学生は人文科学分野専攻の全学生の65.9%となっており,専攻分野別に男女の偏りが見られる(第1-7-3図)。
第1-7-3図 専攻分野別に見た学生分布(大学(学部))の推移(男女別)
女子学生の大学院における専攻分野については,修士課程では工学,人文科学の分野が並んで多く,これに次いで社会科学,理学・農学等,教育,薬学・看護学等の分野が多くなっている(第1-7-4図)。大学院の全学生に占める女子学生数の割合は,近年増加傾向にあり,修士課程の社会人学生に占める女子学生の割合を見ると,平成24年では半数近い48.6%を占めている。
なお,博士課程における女子学生の状況を見ると,人文科学,教育といった分野を専攻する割合が高い。
法科大学院では,27.6%(平成24年5月1日現在)が女子学生となっている。
第1-7-4図 専攻分野別に見た学生分布(大学院(修士課程))の推移(男女別)
(社会教育での学習者)
生涯のいつでも,自由に学習機会を選択して学ぶことができるよう,多様な学習機会の整備が進められているところであるが,大学での社会人学生や,放送大学で学ぶ人々,公民館,青少年教育施設における学級・講座の受講者については,女性の割合が高い。文部科学省「社会教育調査」(平成23年度)によると,学級・講座の受講者のうち女性が占める割合は,公民館・公民館類似施設で66.1%,生涯学習センターで63.0%,青少年教育施設で52.7%となっている。
(上位の職に少ない女性教員の割合)
初等中等教育について女性教員の割合を見ると,小学校では教諭の6割以上を女性が占めているが,中学校,高等学校と段階が上がるにつれてその割合は低くなっている。校長,副校長及び教頭に占める女性の割合は,小学校の校長で平成2年の4.1%が24年には18.7%と大幅に上昇していることを始め,上昇傾向にあるが,その割合は教諭に比べて依然として低い。
大学及び大学院,短期大学の全教員に占める女性の割合を見ても,短期大学では5割を超えているが,大学及び大学院では2割台にとどまっており,特に教授,学長に占める女性の割合は低い(第1-7-5図)。
第1-7-5図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育,平成24年)
また,大学教員における女性の割合を専門分野別に見ると,比較的女性の割合が高い分野においても,講師,准教授,教授と段階が上がるにつれて女性の割合が低くなる傾向が見られる(第1-7-6図)。