コラム1 女性が中心になって進められた新商品の開発事例

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コラム1

女性が中心になって進められた新商品の開発事例


○ 世界中から着想を得て展開する飲料シリーズ

個性的なネーミングやフレーバー(味,風味等)で消費者に訴求している「世界のKitchenから」は,入社7年目の海外旅行好きな女性社員が出した「自家製,作り手のこだわり」と「女性が飲みたい飲み物が作りたい」というアイデアから誕生した。

主に女性をターゲットとした商品開発では,当初のアイデアから「お母さん」という最終コンセプトを導き,女性社員が中心になって実際に海外の「お母さん」を訪ねながら探したヒントを手作りで再現し,ひと手間加えるというプロセスを確立した。課題となったのは,従来の商品開発とは異なるプロセスやこれまでにないコンセプトを消費者に伝えるためのブランド名の開発が必要となったことなどだった。これらの課題に対して,女性社員を中心としてチームの意見をまとめ,関係部門との協力・連携を密に行いながら取り組んだことなどによって,当初のアイデアの実現が可能となった。

ブランド立ち上げから7年経った今でも,ブランド力強化に向け,当初のこだわりを貫き,新しいアイデア探しや消費者のニーズに合った広告やパッケージ作り等が行われており,ターゲットとなる消費者層を拡大させながら,既存の商品分類の枠を超えた商品づくりに取り組んでいる。

○ 海外生まれの果汁入り炭酸飲料

日常的に飲まれる水や茶に比べて持続的な消費が難しい炭酸飲料において注目を集めている「オランジーナ」は,開発チームの「欧州を中心とした海外での人気商品の魅力を日本の消費者へ伝えること」への強い思い入れにより商品化された。

社を挙げての商品開発のブランドマネジャーに起用されたのは,自らの留学経験から海外関係業務を希望していた当時入社2年目の女性だった。若手社員がブランドマネジャーを任されることは珍しくなかったが,主要な開発メンバーは3人の女性を含む5人のうち4人が20歳代かつ異なる担当部門の社員で構成され,海外グループ会社を含めた関係部署の協力を得ながらの商品開発は困難や課題が多かった。しかし,意見交換が活発で年齢や性別に捉われない企業風土の下,顔の見えるコミュニケーション等を通じてブランドマネジャーの能力と熱意は最大限にいかされ,主要な開発メンバーを超えて各関係部門の社員が一丸となった。その結果,専用ペットボトルの開発,ラベルの工夫等や,効果的なプロモーション活動の展開による他商品との差別化が可能となり,海外生まれの果汁入り炭酸飲料という市場の開拓につながった。

今後も消費者の「飲みたい」を引き出し,主力ブランドへ成長させることがチームの目標となっている。