平成24年版男女共同参画白書

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第1節 高齢者が安心して暮らせる環境の整備

(高齢男女の就業促進,能力開発,社会参画促進のための支援)

厚生労働省では,いくつになっても働ける社会の実現に向けた取組を進める。

独立行政法人国立女性教育会館では,地域の男女共同参画センター,女性センター及び女性団体との連携を強化して,高齢女性を含む女性の能力開発に係る好事例を発掘し,その成果や取組に当たっての工夫について,多様な媒体を用いて普及啓発する。

(高齢男女の生活自立支援)

厚生労働省では,地域包括支援センターや民生委員等とも連携し,社会福祉協議会による日常生活自立支援事業に係る生活支援員等の高齢者の日常生活を支援する施策について,男女別のニーズへの配慮を含め,利用者ニーズに応じて一層の推進を図る。

国土交通省においては,高齢者が安心して暮らすことができる住まいを確保するため,介護・医療と連携して,高齢者を支援するサービスを提供するサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進するとともに,住宅金融支援機構の住宅融資保険制度を活用したリバースモーゲージの推進により,同住宅への住み替えを支援する。

独立行政法人国民生活センターでは,消費者問題の専門家を全国各地に派遣し,高齢者等に対し公民館や学校等の施設や集会場において消費者問題を分かりやすく説明する出前講座を開催することにより,消費生活や消費者問題に関する学習機会の提供を図る。

(良質な医療・介護基盤の構築等)

高齢化が一層進展する我が国において,介護保険制度が将来にわたり国民生活の安心を支え続けることができるよう,介護保険法(平成9年法律第123号)の着実な実施を図る。

また,厚生労働省では,全国の主要なハローワークに「福祉人材コーナー」を設置し,きめ細やかな職業相談・職業紹介,求人者への助言,指導等を行うとともに,「福祉人材コーナー」を設置していない主要なハローワークにも相談体制を整備し,福祉分野の職業相談・職業紹介,職業情報の提供及び「福祉人材コーナー」への利用勧奨等の支援を行う。福祉人材センターにおいては,福祉・介護人材の求職・求人に係る情報提供,職業相談,職業紹介等を推進する。

さらに,介護労働者の雇用管理改善については,労働環境の整備に資する介護福祉機器を導入する事業主への助成や,介護労働安定センターによる雇用管理改善の相談援助を実施してきた。平成24年度からは,こうした取組に加え,雇用管理改善や人材確保に取り組む事業主を一層支援するため,雇用管理改善に資する制度を導入する事業主への助成措置を実施する。

医療提供体制の整備に当たっては,引き続き,重篤な救急患者を24時間受け入れる救命救急センター,地域の周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センター等への支援や地域医療に従事する医師のキャリア形成の支援と一体的に地域の医師不足医療機関への医師確保を行うセンター(地域医療支援センター)の設置等を通じて,救急医療・周産期医療の充実や地域医療の確保・充実に取り組んでいく。

また,平成24年2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」の方向に沿って,都道府県による新たな医療計画(25年度から実施)の策定に対する支援を行っていく。

経済産業省では,高齢者や障害者等の自立を支援し,介護者の負担軽減を図るため,福祉機器開発のための実用化支援を行う。

(世代間で公平かつ多様なライフスタイルに中立的な税制・社会保障制度の構築等)

厚生労働省では,第180回国会に提出した「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案」の成立に向けて取り組む。