平成24年版男女共同参画白書

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第11章 生涯を通じた女性の健康支援

第1節 生涯を通じた男女の健康の保持増進

1 健康寿命の更なる延伸

厚生労働省では,「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の傘下事業として,平成20年度から実施してきた「適度な運動」,「適切な食生活」,「禁煙」に焦点を当てた「すこやか生活習慣国民運動」を更に普及,発展させるために民間企業と連携した職域における取組や企業の経済活動等を通じた取組である「Smart Life Project」を23年から開始するなど,生活習慣病対策の一層の推進を図った(本節4(2)参照)。

2 地域における医療体制の整備

厚生労働省では,いつでも,だれでも,必要な医療を受けられる社会を実現するため,医師の不足や地域・診療科における偏在の問題や,救急医療等に対する不安の解消等に取り組んでいる。

医師の不足・偏在については,医学部定員の増員を図るとともに,平成23年度からは,医師不足医療機関の医師確保を支援する「地域医療支援センター」の設置に対する財政支援を開始するなどの取組を行っている。また,救急医療等の充実を図るため,重篤な救急患者を24時間受け入れる救命救急センター等への財政支援を行っている。

また,平成22年度補正予算において拡充した地域医療再生基金(各都道府県に設置)も活用し,都道府県単位での様々な医療課題の解決のための取組を支援している。

3 生涯を通じた健康の保持増進のための健康教育,健康相談,普及啓発,健康診査・指導等の推進

厚生労働省では,全国の女性関連施設等が行う女性就業促進支援事業が効果的,効率的に実施され,全国的な女性の健康保持増進のための支援施策の充実が図られるよう,相談対応や講師派遣等,女性関連施設等に対する支援施策を実施している。

また,生涯を通じた健康の保持のためには,性差に応じた的確な医療を受けられることが必要と考えられるため,生活習慣病対策の一環として,女性の生活習慣病対策に資する健康相談を行う事業を実施している。

文部科学省では,学校において,健康教育を実施するとともに,地域保健と連携し,児童生徒の心身の健康相談や健康教育を行う事業を実施している(第4章第2節2参照)。

4 女性の健康づくり支援

(1) 女性の健康保持のための事業等の充実

厚生労働省では,女性健康支援センター事業において,女性が主体的に避妊を行うことができるようにするための避妊の知識の普及を含めた女性の心身の健康に関する相談指導や情報提供等の支援を行っている。


(2) 成年期,高齢期における女性の健康づくり支援

厚生労働省では,平成12年から,9分野70項目の目標を掲げた「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を推進しており,14年には,「健康日本21」を中核とする国民の健康づくり・疾病予防を更に積極的に推進するため,健康増進法(平成14年法律第103号)が制定され,15年5月に施行された。19年4月に公表した「健康日本21」の中間評価の結果を踏まえ,代表目標項目や新規目標項目を設定するとともに,20年から「適度な運動」,「適切な食生活」,「禁煙」に焦点を当てた新たな国民運動として「すこやか生活習慣国民運動」を展開するなど,生活習慣病対策の一層の推進を図っている。

厚生労働省では,女性が生涯を通じて健康で明るく,充実した日々を自立して過ごすことができるよう,女性の様々な健康問題を社会全体で総合的に支援する必要があることから,毎年3月1日から8日を「女性の健康週間」と定め,国及び地方公共団体,関係団体等社会全体が一体となって各種の啓発事業及び行事等を展開している。

生涯を通じた女性の健康支援事業では,保健所,保健センター等において,女性の健康をめぐる様々な問題について気軽に相談できる体制を引き続き整備するとともに,ライフステージに応じた健康課題について健康教育等を実施した。

内閣府では,女性に対する暴力の根絶のための基盤づくりや予防啓発研修を実施している(第10章第1節1参照)。

5 食育の推進

内閣府では,ライフステージに応じた間断ない食育を推進するため,一人一人の国民が自ら食育に関する取組を実践できるように,「食育ガイド」を作成し,公表した。

6 科学的根拠に基づいた健康情報の収集・分析・提供

厚生労働省では,平成23年10月,「健康日本21」評価作業チームにおいて,「健康日本21」に掲げられている目標項目について,関連する調査・研究のデータの動向を踏まえて,科学的根拠に基づいた分析を行い,「健康日本21」の最終評価を取りまとめた。