平成24年版男女共同参画白書

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第1節 教育分野における男女共同参画

(女子の大学進学率は上昇傾向)

平成23年度の学校種類別の男女の進学率を見ると,高等学校等への進学率は,女子96.7%,男子96.2%と,若干女子の方が高くなっている。大学(学部)への進学率を見ると,男子56.0%,女子45.8%と男子の方が10ポイント以上高い。しかし女子は,全体の10.4%が短期大学(本科)へ進学しており,この短期大学への進学率を合わせると,女子の大学等進学率は56.2%となる。近年,大学(学部)への女子の進学傾向が上昇している一方で,短期大学への進学率は6年度の24.9%をピークに,減少し続けている。

大学(学部)卒業後,直ちに大学院へ進学する者の割合は,平成23年度では男性16.4%,女性7.0%となっている(第1-8-1図)。

第1-8-1図 学校種類別進学率の推移 別ウインドウで開きます
第1-8-1図 学校種類別進学率の推移

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(高等教育在学率の国際比較)

我が国の女性の高等教育在学率は,他の先進国と比較して低い水準になっている(第1-8-2図)。また,韓国を除き,他の国では,男性より女性の方が在学率が高くなっているが,我が国では逆に女性の方が在学率が低いという状況にある。

第1-8-2図 高等教育在学率の国際比較(平成21 年) 別ウインドウで開きます
第1-8-2図 高等教育在学率の国際比較(平成21 年)

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(男女の専攻分野の偏り)

平成23年では,大学(学部)における女子学生全体の26.2%が社会科学分野を専攻しており,社会科学分野を専攻している全学生の3割以上が女子となっている。また,工学分野を専攻する女子学生は,工学分野専攻の全学生の11.2%となっている一方,人文科学分野を専攻する女子学生は人文科学分野専攻の全学生の66.2%となっており,男女の専攻分野の偏りが見られる(第1-8-3図)。

第1-8-3図 専攻分野別に見た学生数(大学(学部))の推移(男女別) 別ウインドウで開きます
第1-8-3図 専攻分野別に見た学生数(大学(学部))の推移(男女別)

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また,女子学生の大学院における専攻分野については,修士課程では人文科学,工学の分野が並んで多く,これに次いで社会科学,教育,理学・農学等,薬学・看護学等の分野が多くなっている(第1-8-4図)。全学生に占める女子学生数の割合について,近年増加傾向にあり,修士課程の社会人学生の割合を見ると,平成23年では女子は半数近い48.7%を占めている。

第1-8-4図 専攻分野別に見た学生数(大学院(修士課程))の推移(男女別) 別ウインドウで開きます
第1-8-4図 専攻分野別に見た学生数(大学院(修士課程))の推移(男女別)

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なお,博士課程における女子学生の状況を見ると,家政,芸術,人文科学,教育といった分野を専攻する割合が高く,また,法科大学院では,28.2%が女子となっている。

(社会教育での学習者)

生涯のいつでも,自由に学習機会を選択して学ぶことができるよう,多様な学習機会の整備が進められているところであるが,大学での社会人学生や,放送大学で学ぶ人々,公民館,青少年教育施設における学級・講座の受講者については,女性の割合が高い。文部科学省「社会教育調査」(平成20年度)によると,学級・講座の受講者のうち女性が占める割合は,公民館で65.8%,生涯学習センターで63.1%,青少年教育施設で55.4%となっている。

(上位の職に少ない女性教員の割合)

初等中等教育について女性教員の割合を見ると,小学校では教諭の6割以上を女性が占めているが,中学校,高等学校と段階が上がるにつれて低くなっている。校長,副校長及び教頭に占める女性の割合は,小学校の校長で平成2年の4.1%が23年には18.5%と大幅に上昇しているのを始め,上昇傾向にあるが,その割合は教諭に比べて依然として低い。

大学及び大学院,短期大学の全教員に占める女性の割合を見ても,短期大学では5割を超えているが,大学及び大学院では2割台にとどまっており,特に教授,学長に占める女性の割合は低い(第1-8-5図)。

第1-8-5図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育) 別ウインドウで開きます
第1-8-5図 本務教員総数に占める女性の割合(初等中等教育,高等教育)

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