平成24年版男女共同参画白書

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コラム8

福島県における女性のための電話相談


「女性のための電話相談・ふくしま」に寄せられた相談のうち,県内在住者は全体の77.5%で,22.5%は県外に避難している者からの相談である。相談には,心身の不調を訴える相談と,人間関係の悩みについての相談が多くなっている。

福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の拡散による被害について,周囲の人と共有できないことによる孤立・孤独感の訴えは多く,特に県外避難者からは,「被災についての周囲との温度差がつらい」,「帰郷するかしないかの判断がつかず苦しい」,「新しい土地になじめない」などの相談が多い。

また,県外避難や家族離散による二重生活の長期化による不安や,家族との関係についての訴えも多い。「慣れない土地で子育てを一身に背負っているが,そのつらさを単身で地元に残り仕事をしている夫に話すと,互いのストレスをぶつけあってけんかになってしまう」,「親世代と放射性物質に対する見解が異なりぶつかってしまう」などの相談が寄せられている。

さらに,「放射性物質の影響が心配」,「子どもを持ちたいが大丈夫だろうか」など,女性の健康への不安についての相談も寄せられている。

電話相談の窓口は,「苦労が分かり合える福島の人と話したい」という県外避難者の相談の受け皿にもなっている。