平成24年版男女共同参画白書

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コラム6

企業における支援物資にも工夫


企業等も発災直後からいち早く対応し,企業の社会的責任(CSR)に関する取組の一環として,大規模な支援が行われた。こうした活動を通じ,救援物資の提供,社員ボランティアによる支援,義援金や助成金といった財政的な支援等が行われた。

被災者が必要とする物資には,水や食料のように全員に必要なものと,男女別にニーズの異なるものがある。後者のうち,例えば生理用品は,比較的早期から必要性が認識され,大量に提供された。一方,下着,おりものシート,ハンドクリーム,リップクリーム,化粧品等は,女性のニーズが高かったが,「自分にあったものがない」,「緊要性がない」など,発災直後は入手することが難しかった。そこで,ある衣料メーカーは,サイズ別の下着に加えて,サイズが細かく分かれていない下着一体型のブラジャーを提供した。

また,化粧品会社の支援により,避難所等で化粧品やクリーム等を使用したマッサージも行われた。さらに,化粧石鹸,化粧水,乳液,ハンドクリーム等を一つの袋に詰めて女性に配ったところ,男性からも要望が寄せられた。こうしたクリーム等はぜいたく品ではないかとの思いが男女双方にあったが,実際は性別を問わず好評であり,乾燥対策や被災者の心のケアの手法の一つとしても活用された。