平成24年版男女共同参画白書

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第1節 東日本大震災の発生

1 震災の発生

被害が大きかった岩手県,宮城県及び福島県における死者は,女性8,363人,男性7,360人,性別不詳63人となっており,女性が男性より1,000人程度多い。この差は,ほとんどが70歳以上の死者数の差によるもので,高齢者で男女の死者数の差が大きくなっている(第1図)。

第1 図東日本大震災の男女別・年齢階層別死者数(岩手県・宮城県・福島県)

岩手県,宮城県及び福島県の死者数と,平成22年国勢調査に基づく3 県の人口とを男女別・年齢階級別に比較すると,人口に占める60歳以上の割合が,女性35.0%,男性28.9%であるのに対し,死者数に占める60歳以上の割合は,女性67.6%,男性63.7%となっており,人口に占める割合に比べて,男女を問わず高齢者が多く犠牲となっている(第2図)。

第2  図東日本大震災における男女別死者数と地域人口の年齢構成比較(岩手県・宮城県・福島県)

2 救出・救助活動等

今回の震災では,警察,消防,海上保安庁及び自衛隊が連携し,大規模な救出・救助活動が行われた。

警察庁,消防庁,海上保安庁及び防衛省における被災地への派遣人員数について,男女別の内訳は把握されていない。

3 津波からの避難行動

内閣府,消防庁及び気象庁では,平成23年7 月上旬から下旬にかけ,岩手県,宮城県及び福島県の沿岸地域で県内避難をしている被災者を対象に,「津波避難等に関する調査」を共同で実施した。

同調査では,災害発生時において,女性は,家族や近所の人等,周囲の声かけにより情報を入手し,複数人で避難をするなど,男性と比べて地域の人とのつながりが強いことが浮かび上がった。