平成23年版男女共同参画白書

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第2節 多様な選択を可能にする教育・能力開発・学習機会の充実

女性も男性も各人の個性と能力を発揮し,社会のあらゆる分野に参画できるよう,生涯にわたり多様な学習機会が確保され,学習の成果が適切に評価される,生涯学習社会の形成を促進するための施策を講じる。

このため,文部科学省では,女性が主体的に働き方・生き方を選択できるよう,若い時期から結婚,妊娠,出産といったライフイベントを視野に入れ,長期的な視点で自らの人生設計を行うことを支援するための学習機会の提供を促進する。

また,消費者が自ら進んで,その消費生活に関し必要な知識を習得し,必要な情報を収集するなど自主的かつ合理的に行動することを支援するため,関係機関と協力した,教員の消費者教育に関する指導力向上のための講座の実施,大学等及び社会教育における消費者教育の指針の普及,将来自立した消費者となるための基礎的・基本的な知識・態度を育成する場である家庭における消費者教育の内容及び方法についての実証的な調査研究の実施などを通して,消費者教育のより一層の充実を図る。

放送大学に対しては,地域活動や社会貢献活動など様々な分野で一定の科目群を体系的に学んだ学生に対して学位以外の履修証明を与える「科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)」の充実や平成23年10月に開始予定のBSデジタル放送による放送のデジタル化をいかした質の高い放送授業番組の提供など,引き続き学習環境の整備のための支援を推進する。

専修学校については,働きながら学ぶ社会人等の多様な学習ニーズに対応するため,単位制・通信制の教育の制度化を図るとともに,産業界との連携により,成長分野における専門人材養成を戦略的に推進する。

また,地域コミュニティの拠点としての学校施設,クラブハウス,屋外運動場照明,水泳プール,武道場など,学校開放諸施設の整備を支援するほか,ICT(情報通信技術)を活用した先導的な生涯学習支援に関する調査研究を行う。さらに,青少年の体験活動の推進を図るため,家庭や企業などへ体験活動の理解を求めていくための普及啓発に取り組むとともに,自然体験活動の指導者養成等を実施する。

独立行政法人国立女性教育会館では,基幹的女性教育指導者の育成,女性のキャリア形成のための情報提供や学習プログラム開発など喫緊の課題への対応,アジア太平洋地域等の女性のエンパワーメント支援,女性アーカイブ機能等の更なる充実・深化を推進する。

進路・就職指導の充実においては,勤労観・職業観や社会的・職業的自立に必要な能力等を育成する義務教育段階からのキャリア教育の推進に努める。また,中学校・高等学校では,生徒が個々の能力・適性等に応じて主体的に進路を選択する能力や態度を身に付けることができるよう指導・助言を行う進路指導の実践の改善・充実を図る。

学生の雇用が不安定となっていることに対応するため,「大学教育・学生支援推進事業」(学生支援推進プログラム等)を実施し,大学等におけるキャリアカウンセラー等の配置や求人に関する情報検索システムなどの就職支援体制の強化を図る。

また,様々な学習活動の成果が適切に評価される社会の実現に向けた取組の一つとして,各個人の学習成果を測る検定試験について,質の向上や信頼性の確保が図られるよう,引き続き,民間事業者等が主体的に行う評価の取組の普及に向けた支援を行う。