平成23年版男女共同参画白書

施策 > 第6章 > 第1節 仕事と生活の調和の実現

第1節 仕事と生活の調和の実現

内閣府では,「仕事と生活の調和推進室」において,仕事と生活の調和の実現に向けて,各主体の協働のネットワークを支える中核的組織として「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」及び「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」の事務局機能を担い,「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」に基づく取組状況の点検・評価,関係省庁,労使,地方公共団体など関係機関との連携・調整,社会全体の気運を醸成するための推進キャンペーン等の企画立案・実施,調整,情報の収集・整理,調査研究を行う。

総務省では,人口減少や少子高齢化により個々人の生活様式に合わせた柔軟な就業環境を求められている中,仕事と育児・介護の両立を目指す女性,高齢者等の多様な人材の就業機会拡大のため,特に在宅型テレワークを中心として,普及課題を幅広く調査・抽出し,その解決方策を明らかにすることで,効果的かつ効率的なテレワークの導入方法を確立する。

文部科学省では,多様な働き方の普及として,女性が主体的に働き方を選択できるよう,多様な選択肢の存在や,ワーク・ライフ・バランスに関する情報を提供し,女性が結婚,妊娠,出産といったライフイベントを視野に入れ,長期的な視点で自らの人生設計を行うことを支援する。

厚生労働省では,喫緊の課題となっている仕事と子育ての両立支援等を一層進めるため,男女共に子育て等をしながら働き続けることができる雇用環境を整備することを目的に,平成22年6月に施行された改正育児・介護休業法について,その改正内容の周知徹底を図る。

また,仕事と家庭を両立しやすい職場環境を実現するため,ベストプラクティスの普及促進や両立支援総合サイトの創設等両立支援に関する雇用管理の情報提供を行う。育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい雇用環境を整備する事業主に対する助成金の支給や積極的に育児をする男性を応援する等男性の仕事と育児の両立に関する意識啓発の推進などを引き続き行う。また,育児休業の取得等を理由とする解雇,退職勧奨等不利益取扱いが増加していることから,育児・介護休業トラブル防止指導員等が適切に対応する。

さらに,平成23年4月1日から,改正次世代法により,一般事業主行動計画の策定・届出の義務付け対象企業が,301人以上から101人以上の企業へ拡大されたことから,未届企業に対して適切な指導を行う。

また,次世代認定マーク「くるみん」取得企業数を平成26年度までに2,000企業とする数値目標を達成するため,多くの企業が認定を目指して取組を進めるよう周知,啓発を行う。

労使の自主的な取組を促進するため,年次有給休暇の計画的付与制度の導入や長時間労働の抑制等の具体的な取組方法について,業種,企業の特性に応じたコンサルティングを実施するなどきめ細かな技術的援助を行う。また,労使が話し合って年次有給休暇の取得率向上に取り組み,顕著な成果を上げた事業主への助成の充実を図るなど,労働時間の短縮や年休の取得促進に向けた取組を進める企業等に対する支援の充実とともに,長時間労働が認められる事業主に対して重点的な監督指導を行う。

また,地域においては,身近な場所に子育て中の親子が気軽に集まって,相談や交流を行う地域子育て支援拠点の設置を推進する。今後は,「子ども・子育てビジョン」で掲げる数値目標(2009年度の7,100か所から2014年度に10,000か所とする目標)の達成に向け,取組の推進を図る。

さらに,保護者の通院や社会参加活動,又は育児に伴う心理的・身体的負担の軽減のため,保育所や駅前等利便性の高い場所で就学前の児童を一時的に預かる一時預かり事業を拡充する。今後は,「子ども・子育てビジョン」で掲げる数値目標(2008年度の延べ348万日から2014年度に延べ3,952万日とする目標)の達成に向け,取組の推進を図る。