平成23年版男女共同参画白書

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第4節 女性と生活困難

(女性で高い相対的貧困率)

前述したように女性の労働をめぐる様々な課題などを背景に,女性の貧困率はほとんど全ての年代において男性よりも高い。女性は現役時代の賃金において男性よりも低いのみならず,その差が蓄積されることにより,高齢期の経済的基盤も脆弱である(第1-3-8図)。

また,相対的貧困率は,女性の中でも高齢単身世帯や母子家庭において特に高い(第1-3-9図)。

第1-3-8図 男女別・年齢階層別相対的貧困率(平成19年) 別ウインドウで開きます
第1-3-8図 男女別・年齢階層別相対的貧困率(平成19年)

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第1-3-9図 年代別・世帯類型別相対的貧困率(平成19年) 別ウインドウで開きます
第1-3-9図 年代別・世帯類型別相対的貧困率(平成19年)

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(「あまねく広がる成長」に向けて)

母子家庭での高い貧困率は,母子家庭の子どもの貧困にもつながる。日本では,母子家庭の母の就業率が高いにもかかわらず貧困率が高い(第1-3-10図)。また,現役世代の貧困世帯では,日本は稼ぎ手が2人以上の世帯の比率が他のOECD諸国に比べ高い(第1-3-11図)という特徴がある。

平成22年6月に改定された「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」には「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の概念が盛り込まれた。女性の就業環境の整備等を通じて貧困に陥るリスクを低減し,より多くの人に経済成長の恩恵が及ぶような「あまねく広がる成長(inclusive growth)」を目指すことが重要と考えられる。

第1-3-10図 子どものいる世帯の相対的貧困率(2000年代中盤) 別ウインドウで開きます
第1-3-10図 子どものいる世帯の相対的貧困率(2000年代中盤)

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第1-3-11図 貧困線を下回る現役世帯の有業者 別ウインドウで開きます
第1-3-11図 貧困線を下回る現役世帯の有業者

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