平成23年版男女共同参画白書

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特集編 ポジティブ・アクションの推進-「2020年30%」に向けて-

我が国では,「社会のあらゆる分野において,2020年までに,指導的地位に女性が占める割合が,少なくとも30%程度になるよう期待する。」という目標(平成15年6月20日男女共同参画推進本部決定。以下「『2020年30%』の目標」という。)の達成に向けた様々な取組が行われてきた。しかし,政治,行政,経済を始め多くの分野において政策・方針決定過程への女性の参画は十分ではなく,男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)の制定から10年余りを経過した現在もなお大きな課題となっている。

政策・方針決定過程への女性の参画の拡大は我が国の社会にとって喫緊の課題であり,平成22年12月に閣議決定した第3次男女共同参画基本計画(以下,本編において「第3次基本計画」という。)においても,特に早急に対応すべき課題の一つとして,実効性のある積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の推進を挙げている。

今後,「2020年30%」の目標を社会全体で共有するとともに,その達成のために官民を挙げて真剣に取り組んでいかなければならない。ここでは,諸外国及び我が国において現在行われているポジティブ・アクションを分野ごとに概観・分析するとともに,具体的な好事例を紹介することによりそれぞれの分野や実施主体における具体的な取組の加速を図ることとする。

第1節では,ポジティブ・アクションの概念や我が国におけるポジティブ・アクションの関連規定,ポジティブ・アクションの手法について概説する。

第2節では,世界のポジティブ・アクションについて取り上げる。政治分野におけるポジティブ・アクションの国際的な状況や,行政,経済等の分野における各国の取組例を紹介する。

第3節では,我が国における女性の参画状況が十分ではないことを各種データにより示すとともに,ポジティブ・アクションに関連する国の取組や,企業,大学,各種団体のポジティブ・アクション取組事例を紹介する。

第4節では,世界や我が国におけるポジティブ・アクションの現状について総括し,今後のポジティブ・アクションの推進についてのまとめとする。