平成22年版男女共同参画白書

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第2節 多様な選択を可能にする教育・学習機会の充実

女性も男性も各人の個性と能力を発揮し,社会のあらゆる分野に参画できるよう,生涯にわたり多様な学習機会が確保され,学習の成果が適切に評価される,生涯学習社会の形成を促進するための施策を講じる。

このため,文部科学省では,多様な選択肢の存在や,仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する情報を提供することにより,女性が自己の可能性やライフステージ別の自己イメージを若い時期から持てるよう,ライフプランニングに関する意識形成等を促すための取組を推進する。また,大学・短期大学・高等専門学校の教育研究資源を活用した,子育て等により就業を中断した女性,ニート等の再就職に資する短期間の実践的教育プログラムの開発・普及を支援することによって,社会人の学び直しの機会の充実を図る。

放送大学に対しては,様々な特定分野の授業科目群を体系的に学んだ学生に対して学位以外の履修証明を与える「科目群履修認証制度(放送大学エキスパート)」の充実など,引き続き学習環境の整備のための支援を推進する。

また,地域コミュニティの拠点としての学校施設,クラブハウス,屋外運動場照明,屋内水泳プール,屋外水泳プール,武道場など,学校開放諸施設の整備を支援するほか,ICT(情報通信技術)を活用した先導的な生涯学習支援に関する調査研究,優れた生涯学習コンテンツの制作・配信等により,多様な学習機会の提供を図る。さらに,次代を担う青少年の育成を図るため,自然体験活動の指導者養成等に取り組むとともに,青少年の様々な課題に対応した体験活動を推進する。

加えて,勤労観・職業観や社会的・職業的自立に必要な能力等を育成する義務教育段階からのキャリア教育の推進に努める。また,中学校・高等学校では,生徒が個々の能力・適性等に応じて主体的に進路を選択する能力や態度を身に付けることができるよう指導・助言を行う進路指導の充実を図る。

学生の雇用が不安定となっていることに対応するため,「大学教育・学生支援推進事業」(学生支援推進プログラム等)を実施し,大学等におけるキャリアカウンセラー等の配置や求人に関する情報検索システムなどの就職支援体制の強化を図る。

また,様々な学習活動の成果が適切に評価される社会の実現に向けた取組の一つとして,各個人の学習成果を測る検定試験の質の確保に向けた,民間事業者等の主体的な取組を支援する方策について,引き続き検討を行う。