平成22年版男女共同参画白書

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第2節 女性の就業と労働力人口

(人口減少と少子高齢化の進展)

我が国では,人口減少と少子高齢化が同時に進行している(第2図)。労働力人口や消費者数の減少は,経済成長力の低下につながることが懸念され,働く人の割合が減り,扶養される人の割合が高まる状況において,経済全体として一人当たり所得の増加を続けるためには,生産性の向上を図ることが不可欠となっている。

また,我が国では,他の先進国と比較して働き盛り世代の女性の就業率が低く,女性の潜在力を発揮する余地が大きいことから,女性の就業を進めることで労働市場における人口構造変化の影響を緩和することができると考えられる。

第2図 年齢階級別人口の将来推計
第2図 年齢階級別人口の将来推計

(「M字カーブ」の解消による労働力人口の増加)

いわゆる「M字カーブ」の解消を図った場合の労働力人口の増加について簡単な試算を行ってみると,平成21年の女性労働力人口に対し,M字カーブ解消により131万人の増加(4.7%の増加に相当,第3図中の(2)),潜在労働力率を前提にM字カーブが解消した場合には445万人の増加(16.1%の増加に相当,同図中の(4)),労働力率がスウェーデン並みになった場合には528万人の増加(19.1%の増加に相当,同図中の(5))となる。

第3図 M字カーブ解消による女性の労働力人口増加の試算第3図 M字カーブ解消による女性の労働力人口増加の試算