平成21年版男女共同参画白書

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第2-12-1表 様々な枠組みを活用した援助の実施
事業 概要

無償資金協力

開発途上国が必要とする経済・社会の発展のための計画に必要な資機材,施設及び役務を調達するために必要な「資金」を贈与する一般のプロジェクト無償資金協力において,GADイニシアティブに基づいて,平成19年度には62件の事業が実施され,途上国の農村女性の健康の維持,労働の軽減,地位の向上に貢献している。また,開発途上国において活動しているNGO等の活動を支援する草の根・人間の安全保障無償資金協力においては,19年度には,女性のための教育支援,女性の自立支援などを目的とする224件の事業が実施されている。なお,日本NGO連携無償資金協力においては,すべての申請・実施終了案件についてジェンダー配慮の有無につきチェックすることになっており,20年度は72件の事業が実施された。

NGO事業補助金

NGOとの連携強化の観点から平成元年度に設けられた。案件の審査に際しては,社会的性別の視点に配慮していることを確認しており,平成20年度は,自立支援研修等の分野において15件の実績がある。

有償資金協力

有償資金協力の実施に当たっては,すべての案件において「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」等に基づいて,案件の実施によって女性が負の影響を受けることがないことを確認している。また,女性の事業への主体的な参加の促進や,事業による便益の男女双方に公平な分配に配慮している。社会的性別への配慮を特に積極的に行った案件を平成19年度に23件(交換公文ベース)実施している。

技術協力

平成19年度,国際協力機構(JICA)はGADイニシアティブ関連案件として,以下の技術協力を実施した。

<1>技術協力プロジェクト

研修員受入れ/専門家派遣/機材供与など,援助形態を組み合わせて実施するプロジェクト型の技術協力であり,平成19年度は136件実施した。

<2>研修事業

集団研修,国別研修,第三国研修,青年招へい及び現地国内研修など国別研修を含めた合計359名に対する研修を実施した。

<3>開発調査

国際協力機構(JICA)が平成19年度に行ったGADイニシアティブに配慮した開発調査は13件であった。

<4>青年海外協力隊の派遣

原則として20歳から39歳までの実践的な技術,技能を持つ青年男女を,開発途上国からの要請に基づいて途上国に派遣し,現地の住民とともに生活しながら,自らの技術を役立て,移転する援助形態。平成19年度には,計608名の青年海外協力隊員が家政,手工芸,看護師,助産師等のGADイニシアティブとかかわりの深い分野で活躍している。

<5>個別専門家の派遣

専門家派遣事業は,単発で派遣される「個別専門家」と,上述の技術協力プロジェクトの一環として派遣される専門家の二つに分けることができる。個別専門家としては,平成19年度には,女性課題省支援に関してアフガニスタン,ジェンダー問題アドバイザーとして東ティモール等に合計8名派遣された。

研修の詳細

男女共同参画推進セミナーII

平成9年度から途上国の国内本部機構の担当官を対象として,各国の国内本部機構の機能強化を図ることを通じ,途上国の女性の地位向上に貢献することを目的として,内閣府の協力の下,実施している。19年度は,7名の参加を得た。同研修員は,我が国の政府や地方自治体等における男女共同参画社会形成に関する施策等についての講義を受けるとともに,自国の国内本部機構を中心とした男女共同参画の取組等について活発な情報・意見交換を行った。また,それらを踏まえ,帰国後の「ジェンダー平等」推進に係る行動計画を作成した。

「ジェンダー主流化」政策のための行政官セミナー

女性の地位向上のための施策の企画・立案等に携わっている開発途上国の女性行政官を対象に,開発途上国での女性問題を解決するために,教育・労働・福祉など様々な分野を関連させながら女性問題を取り扱うことができるような行政組織を整備し,総合的な観点から女性のための施策を展開できる人材育成を目的として実施されている。そのため,我が国の教育,労働,環境,保健等の分野で,国や地方自治体の取組について紹介するとともに,NGO等関係機関との意見交換の場を設定している。平成19年度には9名が参加した。

農村女性の能力開発支援

農村女性による起業活動支援

アジア諸国における農村の活動を支援するため,農民組織等で中核となっている女性リーダーを対象に,国際協同組合同盟が実施する農村起業の経験・事例研究,小規模起業計画作成等の研修に対して拠出している。