平成21年版男女共同参画白書

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第7章 高齢者等が安心して暮らせる条件の整備

第1節 高齢者の社会参画に対する支援

(1)高齢者の社会参加活動の促進

政府は,基本的かつ総合的な高齢社会対策の指針として,「高齢社会対策大綱」(平成13年12月閣議決定)を策定し,これに沿って関係行政機関が連携・協力を図りつつ,施策の一層の推進を図っている。

内閣府では,年齢にとらわれず自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送る高齢者や社会参加活動を積極的に行っている団体等を全国から募集し,「心豊かな長寿社会を考える国民の集い」等を通じて広く紹介している。また,今後の高齢社会対策の効果的な推進を図るため,高齢社会研究セミナーを開催した。

厚生労働省では,自治体における高齢者の生きがい・健康づくりの推進や老人クラブの活動への支援を行っているほか,全国健康福祉祭(ねんりんピック)に対する支援を行っている。

経済産業省では,大企業等の退職者及び近く退職を控えるシニア人材を「新現役」と位置付け,その有する技術・ノウハウ等を地域や中小企業に活かすなど,その活躍の舞台を変えることにより,新現役にもやりがい・生きがいを見いだしてもらいつつ,中小企業支援を行った。


(2)いくつになっても働ける社会の実現

厚生労働省では,高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)に基づき,65歳までの段階的な定年の引上げ,継続雇用制度の導入等の高年齢者雇用確保措置が着実に実施されるよう事業主への指導・支援に取り組んでいる。

また,地域の団塊世代の再就職支援を実施するほか,高年齢者を試行的に雇用する事業主に対する支援等により,高年齢者の再就職の促進を図っている。

さらに,雇用対策法(昭和41年法律第132号)の改正により,平成19年10月から,労働者の募集・採用における年齢制限が原則として禁止され,厚生労働省では,その着実な施行に取り組んでいる。

加えて,臨時的かつ短期的又は軽易な就業を希望する高齢者に対しては,シルバー人材センターにおいて,地域の日常生活に密着した仕事を提供し,高齢者の多様なニーズに応じた就業機会の確保に努めている。


(3)学習機会の整備等

文部科学省では,女性を含む高齢者や団塊世代が,これまで職業や学習を通じて培った経験を活かして,学校や地域社会で活躍できるよう,「教育サポーター」制度を全国に普及するなどの取組を実施している。また,総合型地域スポーツクラブの全国展開を推進し,子どもから高齢者まで誰もがスポーツに身近に親しむことができる環境整備を支援している。

国民生活センターでは,消費者問題の専門家を全国各地に派遣し,高齢者に対し公民館や学校等の施設や集会場において消費者問題を分かりやすく説明する出前講座を開催することにより,消費生活や消費者問題に関する学習機会の提供を図っている。