平成21年版男女共同参画白書

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コラム

独立行政法人国立女性教育会館によるプログラムの開発「連携・協働を推進しつつ,地域づくりに参画する人材が育つために」


男女共同参画の視点から地域における様々な課題の解決を図るための実践・活動を推進していく上で,「情報と人の拠点」である男女共同参画センター等の役割は重要である。独立行政法人国立女性教育会館では,平成18年度から3か年計画で「女性関連施設に関する調査研究」を実施し,男女共同参画センター等の職員や,地域における男女共同参画を支援する立場の人が,多様な機関や団体と連携・協働しながら,地域づくりに参画する人材を育成することができるよう「実践・活動にむすびつく学習」のプログラムを開発した。

〔プログラムの特徴〕「社会活動キャリア」という概念の提示

本プログラムでは,女性の活動を社会的視点から捉え直すために,新たに「社会活動キャリア」という概念を取り入れた。「社会活動キャリア」とは,企業等における職業キャリアと同様に,NPOやボランティアなど地域での活動もキャリアとして定義したものである。「社会活動キャリア」という地域づくりにつながる多様な活動を社会的に評価するスキームを構築し,キャリア事例の分析等を行うことにより,「地域づくりに参画する人材」のイメージを明確化し,人材育成の促進を図っている。

〔プログラム実施の際の工夫〕男女共同参画センター等,行政,団体・グループの三者による連携・協働

学んだことを実践に結びつけるためには,地域で男女共同参画を推進していく主体となる男女共同参画センター等と行政及び団体リーダーの連携・協働が必要である。平成20年度には当該趣旨に基づき,静岡県及び千葉県においてこの三者が参加しプログラムを実験的に行った。具体的には三者が対等な関係でグループ・ワークを行い,「地域づくりに参画する人材育成のための事業計画」を作り上げた。三者が同じ時間を共有し,対等な関係の中で連携・協働しながら学ぶ過程で,互いのネットワークが構築され,地域づくりのための実践や活動につながっていく可能性が高まることが分かった。

国立女性教育会館では本プログラムを活用して地域の課題解決に向けた実践・活動を促進できるよう,学習方法等の研究を更に進めていくこととしている。

独立行政法人国立女性教育会館によるプログラムの開発の写真