平成21年版男女共同参画白書

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第6章 生涯を通じた女性の健康

(低下傾向にある母子保健関係指標)

母子保健関係の主要な指標の動向をみると,いずれの指標も総じて低下している(第26図)。


第26図 母子保健関係指標の推移
第26図 母子保健関係指標の推移

(総数では減少傾向にある人工妊娠中絶件数)

人工妊娠中絶件数・人工妊娠中絶実施率(15歳以上50歳未満女子人口千対)の昭和50年から平成19年度までの動向をみると,総数では件数,実施率ともに総じて減少傾向にある。また,20歳未満の件数は昭和50年においては,全年齢に占める割合が1.8%だったのが,平成19年度では9.3%となっており,若年層の全体に占める比重は以前より増加しているものの,件数としては14年度からほぼ半減を達成しており,着実に減少している。


(若年での感染が多いHIV感染者)

平成19年に新規で感染が報告されたHIV(ヒト免疫不全ウィルス)感染者は1,082人,AIDS患者(HIV感染によって免疫不全が生じ,ニューモシスティス肺炎等の日和見感染症や悪性腫瘍が発生した者)は418人で,HIV感染者は過去最高の報告数となった(第27図)。HIV感染者の推定感染地域をみると,全体の87.7%が国内感染となっている。

感染が報告された時点の年齢で年代別に新規で感染が報告された感染者数をみると,20歳代が全体の29.2%を占めているのに対し,30歳代が40.6%を占めており,30歳代での感染が多い。

第27図 HIV感染者の推移(性別・年代別)
第27図 HIV感染者の推移(性別・年代別)