平成20年版男女共同参画白書

本編 > 第2部 > 第3章 > 第1節 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し

第3章 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し,意識の改革

第1節 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し


(1)男女の社会における活動の選択に中立的な社会制度の検討

男女共同参画会議監視・影響調査専門調査会では,平成19年5月に「政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見(多様な選択を可能にする能力開発・生涯学習施策について)」の意見決定を行った。本意見決定では女性に特徴的な事情や人生の各段階ごとのニーズを整理し,それらを踏まえた効果的な能力開発・生涯学習施策の実施を求めている。特に(1)子育て等による就業中断期の存在を考慮した家庭でのeラーニング等の活用や,時間や場所に配慮した能力開発機会の提供,(2)子育てや地域活動経験等から培われる能力を職業能力につなげるための方策,(3)能力開発・生涯学習を就労につなげるためのハローワークや教育機関等との連携について,各府省の積極的な取組を求めている。

厚生労働省では,被用者としての年金保障を充実させる観点などから,「正社員に近い」パートタイム労働者に社会保険の適用範囲を拡大するための「被用者年金制度の一元等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案」を第166回国会に提出し,継続審議とされたところである。

(2)家族に関する法制の整備

法務省では,婚姻及び離婚制度について,男女平等などの見地から,平成8年2月の法制審議会答申(「民法の一部を改正する法律案要綱」)を踏まえ,検討を行った。また,同答申及びそのうちの選択的夫婦別氏制度の概要について,ホームページへの掲載等を通じ,広く国民にその内容を公開している。