平成20年版男女共同参画白書

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コラム

女性の起業等に対する男女共同参画センター等の支援


女性が起業等を実践し,成功させることは必ずしも容易ではない。アイデアや意欲はあっても,事業計画や資金計画を作成した経験がない,具体的なノウハウがわからない,子育てとの両立をどうするか等,様々な課題がある。

地方公共団体や男女共同参画センター等では,女性のエンパワーメントと,起業等につなげるための支援事業を,各人の状況に応じたステップアップも考慮しつつ,様々な工夫を凝らして展開している。

● 男女共同参画センター横浜

民間企業,全国女性会館協議会,横浜市から資金の提供等の協力を得て,女性の起業支援事業を実施している。その特徴は,男女共同参画センターの総合的な支援メニューの活用,女性がITを最大限活用する,同じ目的を持つ仲間とともにスタートできることの3つである。

また,「すべての女性の可能性にチャンスを!」という考えから,経済的に困難な状況にある女性には受講料を免除している。

第1ステップ 女性起業UPルーム

気軽に立ち寄り,起業の可能性や方法について相談,パソコンによる情報検索等ができる「女性起業UPルーム」を設置。ITを活用した企業の先輩であるナビゲーターを配置し,関連情報を集めた専用ホームページを開設。

第2ステップ 起業セミナー,交流サロン

起業入門,ビジネス設計,IT活用販促の3つのセミナーからなる「起業セミナー」を開講。自己点検を行い,事業計画書の書き方,資金計画,マーケティング,販売促進のためのノウハウ等について知識・技能を修得し,行動することを目的とする。

第3ステップ 起業家たまご塾

具体的な事業プランを持つ女性に対するグループ型支援として,「起業家たまご塾」を運営。セミナー,ワークショップ,専門相談等への参加,講師・スタッフ,塾生間の情報交換,事業プランを実際に試すデモ事業の実施,インターネットが使える塾生専門スペースの利用,広報の支援等のサポートをする。

起業 初年度(2007年度)3つのセミナー及びたまご塾から14名が起業し,6名が具体的に開業準備中。

● 京都府・京都府男女共同参画センター

NPO等と連携して,起業,NPO活動,地域づくり活動の体系的な支援事業を府内の複数箇所で実施。

「京都府女性の船」の活動の様子の写真

○ 女性チャレンジ相談,京都府女性の船

「女性チャレンジ相談」や「京都府女性の船」が,起業やNPO活動等を目指す女性にとって最初の入口となる。

起業等に必要な情報提供を行う「女性チャレンジ相談」を府男女共同参画センター及び府内の複数箇所で実施。

毎年出航する「京都府女性の船」は,地域づくりやNPO活動等に関心のある女性(約100名)を対象とし,船中および訪問先での研修,活動団体との交流を実施。交流とネットワークの構築を図る。

○ 起業セミナー,地域おこしセミナー

「起業セミナー」や「地域おこしセミナー」を通して,企画書・予算書,事業計画を作成しプレゼンテーションを行うなど,起業や地域の課題解決等に必要な知識や能力を習得。

起業を目指す女性たちの交流の場として,「交流サロンCo-Co」を毎月開催。

○ 女性チャレンジオフィス,わくわくスポット,KYOのあけぼのフェスティバル

起業を実践しつつ経営指導を受けられる女性チャレンジオフィスを,府男女共同参画センター内のほか,商店街の空き店舗等を活用して府内2箇所に設置。

地域づくりに関心のある女性が気軽に立ち寄れる「地域女性わくわくスポット」を府内の複数箇所に開設。地域の課題を解決するための交流や活動の拠点として,NPO等との協働により企画・運営している。

「KYOのあけぼのフェスティバル」は,これらの事業を通じて起業や地域活動等を実践する女性たちの活動発表の機会となっている。

起業・NPO活動,地域づくり活動等,女性の活躍により,地域力再生につなげる。

女性チャレンジオフィスの卒業生が,平成20年5月にコミュニティ・カフェをオープン。