平成19年版男女共同参画白書

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第1節 国内本部機構の組織・機能等の拡充強化

1 男女共同参画会議の機能発揮

(1)男女共同参画会議の活動

内閣府に設置された重要政策に関する会議の一つである男女共同参画会議は,内閣総理大臣,議長である内閣官房長官及び男女共同参画担当大臣のリーダーシップの下,男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な方針,基本的な政策及び重要事項などについて調査審議を進めてきた。

(2)男女共同参画社会の形成に関する調査研究

内閣府では,平成18年9月,独立行政法人等(独立行政法人,特殊法人,認可法人,国立大学法人及び公立大学法人)における女性の参画状況及び取組の実態に関する調査を行った。

第2-1-1表 男女共同参画会議の動き 別ウインドウで開きます
第2-1-1表 男女共同参画会議の動き

(3)情報の提供,広報・啓発活動

ア 国際社会及び諸外国における取組の動向に関する情報の提供

内閣府では,国連婦人の地位委員会(CSW),女子差別撤廃委員会(CEDAW),欧州連合(EU),欧州評議会(CE)等の取組や,アジア太平洋経済協力(APEC),各種地域機関,諸外国における先進的な取組の動向について情報を収集・整備し,男女共同参画推進連携会議(えがりてネットワーク)企画委員会主催の情報・意見交換会,政府の広報誌,インターネット等を通じて,情報を提供している。

イ ホームページによる情報の提供

内閣府では,インターネットホームページを通じて,国内外の男女共同参画社会の実現に向けた取組に関する情報を提供しているほか,本ホームページを男女共同参画に関する総合的な情報交流の拠点とするべく,一層の充実を図っている。

ウ 広報・啓発活動
内閣府では,男女共同参画に関する総合情報誌「共同参画21」や「男女共同参画推進本部ニュース」を定期的に発行し,男女共同参画推進本部,地方公共団体,女性団体等の活動状況等に関する情報を広く提供している。また,海外に我が国の女性の現状を紹介するため毎年1回,英文パンフレット「Gender Equality in Japan(2007年版より改称。2006年以前は「Women in Japan Today」)」を発行し,各国政府や国際機関等に配布している。

2 総合的な推進体制の整備・強化等

(1)男女共同参画基本計画(第2次)に基づく施策の推進

政府は,男女共同参画社会基本法に基づく基本計画として,平成17年12月27日に「男女共同参画基本計画(第2次)」を閣議決定した。「男女共同参画基本計画(第2次)」では,12の重点分野を掲げ,それぞれについて,平成32年までを見通した施策の基本的方向と平成22年度末までに実施する具体的施策の内容を示している(第2-1-2表)。

第2-1-2表 男女共同参画基本計画(第2次)の構成 別ウインドウで開きます
第2-1-2表 男女共同参画基本計画(第2次)の構成

「男女共同参画基本計画(第2次)」を実効性あるものとして推進していくために,男女共同参画会議は,政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況について,各分野の専門家の知見を活用しつつ,監視を行っている。

また,内閣府では,地方公共団体に対し,男女共同参画社会基本法に基づく都道府県及び市町村男女共同参画計画の策定に当たって,情報提供を行っている。

(2)年次報告等の作成

男女共同参画社会基本法(平成11年法律第76号)第12条に基づき,「平成18年 男女共同参画白書」(「平成17年度男女共同参画社会の形成の状況」及び「平成18年度男女共同参画社会の形成の促進施策」)を作成した。

(3)国際機関・諸外国の国内本部機構との連携・協力の推進

男女共同参画社会の形成の促進に関する各種国際会議への出席,相互交流,インターネット等を活用した情報交換を通じて,国際機関,諸外国の国内本部機構との連携・協力に努めた。

また,平成18年6月,「東アジア男女共同参画担当大臣会合」を議長国として開催した。

(4)男女共同参画担当大臣

平成4年の宮澤内閣の改造に際し,女性問題を総合的に推進するために行政各部が所管する事務の調整を行う婦人問題担当大臣が置かれ,内閣官房長官が指定された。その後名称は「女性問題担当」,「男女共同参画担当」と変わるが,以後歴代内閣において男女共同参画を担当する大臣が置かれている。13年1月以降は,内閣官房長官が内閣府設置法(平成11年法律第89号)に基づく特命担当大臣とされていたが,17年10月以降,少子化・男女共同参画担当大臣が置かれ,男女共同参画社会の形成の促進に関する事項の企画立案及び総合調整を行っている。

(5)男女共同参画推進本部及び男女共同参画担当官会議の開催

男女共同参画推進本部(以下この節において「本部」という。)は,男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の円滑かつ効果的な推進を図るため,閣議決定に基づき,内閣総理大臣を本部長,内閣官房長官及び男女共同参画担当大臣を副本部長とし,全閣僚を本部員として内閣に設置されている。本部には,男女共同参画担当官が置かれ,本部員を補佐するとともに関係行政機関において所要の調整の事務を行っており,また,関係行政機関相互の機動的な連携を図るために,男女共同参画担当官会議が置かれている。

(6)男女共同参画に関する施策についての苦情の処理に関する取組の推進

男女共同参画に関する施策についての苦情の処理や人権が侵害された場合における被害者の救済に関する取組を推進するため,関係機関の連携強化,従事者の知識・技能の向上及び活動の活性化等を図っている。

内閣府では,国及び地方公共団体に寄せられた男女共同参画に関する施策についての苦情内容及び男女共同参画に関する人権侵害事案の処理状況等について取りまとめ,監視・影響調査専門調査会に報告した。また,苦情解決に当たっての視点・方法論,苦情事例等を紹介する「苦情処理ガイドブック」を改定し,関係機関等に配布するほか,地方公共団体における苦情処理事務担当者,行政相談委員及び人権擁護委員を対象とする研修を実施した。さらに,都道府県・政令指定都市が設置する男女共同参画センター等の管理者等から苦情の処理等に関する意見を聴取した。

総務省では,行政相談委員の中から指名した男女共同参画担当委員(平成15年9月全国で123名を指名し,17年度には182名に増員)と連携し,男女共同参画の認識を高めるための研修会,シンポジウム等の開催や関係施策の説明資料の配布を行ったほか,男女共同参画社会に関する施策についての苦情等を受け付けるための行政相談所を開設した。また,平成18年7月には,各地の担当委員が集合して,地域における活動内容の発表や事例研究,意見交換等を行い,苦情処理等の機能の充実方策,今後の活動の活性化等について検討を深めた。

法務省では,人権擁護委員に対し,男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された被害者の相談などに適切に対処するために必要な知識の習得を目的とする「人権擁護委員男女共同参画問題研修」を実施した。