平成19年版男女共同参画白書

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第1節 国の政策・方針決定過程への女性の参画

(国会議員に占める女性割合)

国会議員に占める女性割合について,その推移をみると,衆議院においては,戦後の一時期を除いて,1~2%台で推移していた。その後,平成8年(第41回選挙)に小選挙区比例代表並立制が導入されて以降増加し,19年4月現在,9.4%(45名)となっている。

また参議院においては,昭和22年(第1回選挙)の4.0%からおおむね増加傾向にあり,平成元年(第15回選挙)においては,8.7%から13.1%へと大幅に増加した。19年4月現在では14.3%(34名)となっている。

(立候補者,当選者に占める女性割合)

衆議院における立候補者及び当選者に占める女性割合についてみると,昭和61年以来,ともに着実に増加していたが,平成15年11月執行の総選挙では減少した。しかし,直近の平成17年9月執行の総選挙では立候補者に占める女性割合は若干増加し13.0%となり,当選者に占める女性割合は過去最高の9.0%となった。これは,一部の政党において,女性候補者を比例代表名簿上位に登載する積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を行った結果などが影響していると考えられる(第1-1-1図)。

第1-1-1図 衆議院立候補者,当選者に占める女性割合の推移 別ウインドウで開きます
第1-1-1図 衆議院立候補者,当選者に占める女性割合の推移

また参議院では,立候補者に占める女性割合は着実に増加していたが,直近の平成16年7月執行の通常選挙では20.6%となり,前回の27.6%から大きく減少した。当選者に占める女性割合は近年減少傾向にあり,16年7月執行の通常選挙では12.4%となった(第1-1-2図)。

第1-1-2図 参議院立候補者,当選者に占める女性割合の推移 別ウインドウで開きます
第1-1-2図 参議院立候補者,当選者に占める女性割合の推移

(国家公務員採用者に占める女性割合)

国家公務員採用I種試験,II種試験及びIII種試験の採用者に占める女性割合は,III種,II種,I種の順で高くなっており,また,平成19年度はII種,III種は増加し,I種は前年度と同じ割合となっている。なお,各試験における19年度女性採用者数はI種123名(I種全体の21.1%),II種486名(II種全体の27.4%),III種411名(III種全体の39.3%)となっている(第1-1-3図)。

第1-1-3図 国家公務員試験採用者に占める女性割合の推移 別ウインドウで開きます
第1-1-3図 国家公務員試験採用者に占める女性割合の推移

(上位級ほど低い国家公務員在職者に占める女性割合)

行政職俸給表(一)適用者に占める女性割合は横ばいとなっているが,上位の級については増加傾向にある。平成17年度の在職者について,職務の級別に女性割合をみると,定型的な業務を行う職務である1級においては,女性が占める割合は31.5% であるが,職務の級が上がるにつれて女性割合は減少している。本省課室長・地方機関の長相当級である9級以上及び指定職において女性が占める割合は,年々増加してはいるものの1.8%と依然低く,上位の級への女性の登用が課題となっている(第1-1-4図)。

第1-1-4図 職務の級別女性国家公務員の割合(行政職(一)) 別ウインドウで開きます
第1-1-4図 職務の級別女性国家公務員の割合(行政職(一))

(女性職員の採用・登用の拡大に向けての取組)

女性国家公務員の採用・登用の拡大については,「男女共同参画基本計画(第2次)」(平成17年12月閣議決定),「女性国家公務員の採用・登用の拡大等について」(平成16年4月各省庁人事担当課長会議申合せ)及び「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」(平成17年12月人企-1703事務総長通知)に基づき,全府省が一体となって取り組んでいる。

各府省は,平成22(2010)年度までの目標を設定した「女性職員の採用・登用拡大計画」を策定し,具体的な取組を進めているが,当該計画は,女性職員の採用・登用状況の現状分析を踏まえた上で採用の拡大,登用の拡大,勤務環境の整備,推進体制を主な柱として構成されている。

また,「男女共同参画基本計画(第2次)」では,平成22年度頃までの政府全体としての採用者に占める女性の割合の目安として,国家公務員採用I種試験の事務系の区分試験(行政,法律,経済)については30%程度,その他の試験については,I種試験の事務系の区分試験の目標を踏まえつつ,できる限りその割合を高めることを目標としている。平成18年10月に総務省が公表した女性国家公務員の採用・登用の拡大等に関する取組状況等のフォローアップの実施結果によると,国家公務員採用I種試験等(国家公務員採用I種試験,防衛庁職員採用I種試験その他I種試験に準ずる試験をいう。)の事務系区分について,18年度の採用者に占める女性の割合は22.4%となっており,17年度の21.5%に比べ0.9ポイント増加した。

各府省においては,女性対象の業務説明会等の開催,説明者に女性職員を充てる等の工夫をした業務説明会の開催などを行い,女性職員の採用拡大に取り組んでいる。また,女性の登用の拡大に関しては,具体的な登用目標の設定,従来女性が就いたことがない,又は就いたことが少ないポストへの女性職員の配置,研修参加機会の確保等を行っている。

(着実に増加する国の審議会等における女性委員の割合)

国の審議会等における女性委員の割合については,目標数値と達成期限を設定する取組が効果をあげている。平成17年9月の調査において,17年度末までの目標である30%を達成した実績を踏まえ,18年4月,男女共同参画推進本部は新たな目標を決定した。その内容は,審議会等の委員については,平成32(2020)年までに,政府全体として,男女いずれか一方の委員の数が,委員の総数の10分の4未満とならない状態を達成するよう努め,そのための当面の目標として,平成22(2010)年度末までに,女性委員の割合が少なくとも33.3%となるよう努めるというものである。また,専門委員等(委員とは別に,専門又は特別の事項を調査審議するため必要があるとき,専門委員,特別委員又は臨時委員の名称で置くことができるもの)についても今回初めて数値目標を設定し,平成32(2020)年までのできるだけ早い時期に,政府全体として,女性委員の割合が30%となるよう努め,そのための当面の目標として,平成22(2010)年度末までに20%となるよう努めることとした。

内閣府では,毎年定期的に,国の審議会等における女性委員の参画状況について調査を行っているが,平成18年9月30日現在, 31.3%となっており,女性委員の割合は着実に増加している。一方,専門委員等に占める女性の割合は,13.1%にとどまっており,目標達成に向けて更なる取組が必要とされる(第1-1-5図)。

第1-1-5図 国の審議会等における女性委員割合の推移 別ウインドウで開きます
第1-1-5図 国の審議会等における女性委員割合の推移