都市比較に見るワーク・ライフ・バランスと父親の家事・育児参加

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都市比較に見るワーク・ライフ・バランスと父親の家事・育児参加

内閣府経済社会総合研究所の調査結果をもとに,3都市(パリ,ストックホルム,東京)の帰宅時間を比較すると,男性の帰宅時間は,東京が他の2都市を圧倒して遅くなっている。  ストックホルムでは,16時頃までに約15%が,17時頃までに半数以上が帰宅しており,パリでも約半数は19時頃までに帰宅しているのに対し,東京の男性は,6割を超える人が20時以降に帰宅している(第1-特-24図)。

第1-特-24図 3都市でみた男女の帰宅時間 別ウインドウで開きます
第1-特-24図 3都市でみた男女の帰宅時間

西欧諸国のみならず,アジアの都市との比較においても,東京の人々は仕事時間の比重が高いといえる。ベネッセ教育研究開発センターが実施した「幼児の生活アンケート・東アジア5都市調査」によれば,就学前の幼児を持つ父親の帰宅時間は,ソウル,北京,上海,台北と比較し,平均して最も遅くなっている(第1-特-25図)。

第1-特-25図 父親の帰宅時刻 別ウインドウで開きます
第1-特-25図 父親の帰宅時刻

また,上述の内閣府の調査結果をもとに,3都市における1週間に家族全員で夕食をとった回数を比較すると,東京が最も少なくなっている。

パリは平均5回と最も多く,半数近い人が毎日家族全員で夕食をとっている。ストックホルムでは,平均4.8回で,3割以上の人が毎日家族全員で夕食をとっている。これに対し,東京では,平均回数が3.4回と最も少なく,毎日家族全員で夕食をとっている人は2割に満たない(第1-特-26図)。

第1-特-26図 1週間に家族全員で夕食をとった回数 別ウインドウで開きます
第1-特-26図 1週間に家族全員で夕食をとった回数