平成19年版男女共同参画白書

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第1章 政策・方針決定過程への女性の参画

(国会議員に占める女性割合)

国会議員に占める女性割合は,平成19年4月現在,衆議院は9.4%(45名),参議院は14.3%(34名)となっている。

(立候補者,当選者に占める女性割合)

国政選挙における立候補者及び当選者に占める女性割合についてみると,衆議院では,直近の平成17年9月執行の総選挙で立候補者に占める女性割合は若干増加し13.0%となり,当選者に占める女性割合は過去最高の9.0%となった。これは,一部の政党において,女性候補者を比例代表名簿上位に登載する積極的改善措置(ポジティブ・アクション)を行った結果などが影響しているものと考えられる(第17図)。

また参議院では,立候補者に占める女性割合は,直近の平成16年7月執行の通常選挙では20.6%となり,前回の27.6%から大きく減少した。当選者に占める女性割合は近年減少傾向にあり,16年7月執行の通常選挙では12.4%となった(第17図)。

第17図 立候補者,当選者に占める女性割合の推移別ウインドウで開きます
第17図 立候補者,当選者に占める女性割合の推移


(上位級ほど低い国家公務員在職者に占める女性割合)

 行政職俸給表(一)適用者に占める女性割合は横ばいとなっているが,上位の級については増加傾向にある。平成17年度の在職者について,職務の級別に女性割合をみると,定型的な業務を行う職務である1級においては,女性が占める割合は31.5%であるが,職務の級が上がるにつれて女性割合は減少し,本省課室長・地方機関の長相当級である9級以上及び指定職においては,女性が占める割合は1.8%と依然低く,上位の級への女性の登用が課題となっている(第18図)。

第18図 職務の級別女性国家公務員の割合(行政職(一))別ウインドウで開きます
第18図 職務の級別女性国家公務員の割合(行政職(一))


(着実に増加する国の審議会等における女性委員の割合)

 平成18年4月,男女共同参画推進本部は国の審議会等における女性委員の参画の拡大について新たな目標を決定した。その内容は,審議会等の委員については,平成32(2020)年までに,政府全体として,男女いずれか一方の委員の数が,委員の総数の10分の4未満とならない状態を達成するよう努め,そのための当面の目標として,平成22(2010)年度末までに,女性委員の割合が少なくとも33.3%となるよう努めるというものである。また,専門委員等(委員とは別に,専門又は特別の事項を調査審議するため必要があるとき,専門委員,特別委員又は臨時委員の名称で置くことができるもの)についても今回初めて数値目標を設定した。

平成18年9月30日現在,国の審議会等における女性委員の割合は 31.3%となり,着実に増加している一方,専門委員等に占める女性の割合は13.1%にとどまっている。

(大都市ほど高い地方議会における女性の割合)

 都道府県議会,市議会,町村議会,特別区議会の女性議員の割合をみると,平成18年12月現在で,女性議員の割合が最も高い特別区議会では21.9%,政令指定都市の市議会は16.7%,市議会全体は10.8%,都道府県議会は7.3%,町村議会は6.9%となっており,都市部で高く郡部で低い傾向にある。

(人間開発に関する指標)

 2006(平成18)年に国連開発計画(UNDP)が発表した「人間開発報告書」によると,我が国は人間開発指数(HDI)が測定可能な177か国中7位,ジェンダー開発指数(GDI)が測定可能な136か国中13位であるのに対し,ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は測定可能な75か国中42位となっている。


(注)
HDI 人間開発指数(Human Development Index)

「長寿を全うできる健康的な生活」,「教育」及び「人間らしい生活水準」という人間開発の3つの側面を簡略化した指数。具体的には,平均寿命,教育水準(成人識字率と就学率),調整済み一人当たり国民所得を用いて算出している。

GDI ジェンダー開発指数(Gender-Related Development Index)

HDIと同じ側面の達成度を測定するものであるが,その際,女性と男性の間でみられる達成度の不平等に注目したもの。

HDIと同様に平均寿命,教育水準,国民所得を用いつつ,これらにおける男女間格差が不利になるようなペナルティーを科すことにより算出しており,「ジェンダーの不平等を調整したHDI」と位置付けることができる。

GEM ジェンダー・エンパワーメント指数(Gender Empowerment Measure)

女性が政治及び経済活動に参加し,意思決定に参加できるかどうかを測るもの。HDIが人間開発の達成度に焦点を当てているのに対して,GEMは,能力を活用する機会に焦点を当てている。

具体的には,国会議員に占める女性割合,専門職・技術職に占める女性割合,管理職に占める女性割合,男女の推定所得を用いて算出している。