平成18年版男女共同参画白書

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第1節 高齢者が安心して暮らせる介護体制の構築

1 介護保険制度の着実な実施

介護保険制度については,平成12年4月に施行されてから6年を迎え,高齢期の国民生活を支える制度として順調に定着しつつある。その一方で,利用の伸びに伴い費用も急速に増大しており,「制度の持続可能性」を確保するため,介護保険制度全般にわたる見直しを行った介護保険法の一部を改正する法律(平成17年法律第77号。以下「介護保険法改正法」という。)が平成17年6月に成立した。

2 高齢者保健福祉施策の推進

(1)介護サービス基盤の整備

介護・福祉サービスの基盤整備に当たっては,身近な生活圏域で介護予防から介護サービスの利用に至るまでの必要なサービス基盤を整備していく必要があることから,厚生労働省では,地方公共団体が創意工夫をいかし,整備を行うことができるよう,従来の施設整備費補助金の仕組みに替え,地方公共団体が策定する整備計画に対する助成制度である地域介護・福祉空間整備等交付金を平成17年度に創設し,総合的な支援を行っている。

(2)介護予防・生活支援のための取組

厚生労働省では,全国の市町村において介護予防教室の開催,生活習慣病予防のための運動指導事業,高齢者の引きこもり予防のための生きがい活動支援通所事業及び生活支援のための外出支援サービスなどが地域の実情に応じて実施されるよう支援している。また,介護保険法改正法において,介護保険制度を予防重視型システムへ転換する等の見直しを行った。

(3)利用者保護と信頼できる介護サービスの育成

厚生労働省では,高齢者が介護サービスを適切に選択し,利用できるような環境づくりを進めるため,介護サービス事業者の運営基準の適切な運用を図るとともに,介護サービス事業者の参入促進,福祉用具の開発・普及などの施策を推進している。また,介護保険法改正法において,介護サービス事業者に対する事業所情報の公表の義務付けなどサービスの質の向上を図るための見直し等を行った。

3 介護に係る人材の確保

厚生労働省では,介護福祉士,介護支援専門員及び訪問介護員について,養成研修や資質の向上のための研修等を実施するとともに,その内容の充実等を図っている。また,介護・看護マンパワーを確保するために,福祉重点ハローワークを中核として介護・看護マンパワーの就職を重点的に推進している。

また,介護基盤人材確保助成金,介護雇用管理助成金の活用促進,介護労働安定センターにおける雇用管理相談体制の整備を行っている。さらに,介護サービスの高度化・多様化に対応した教育訓練の積極的な実施を図っている。