平成18年版男女共同参画白書

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第7章 メディアにおける男女共同参画

(マスメディアへの接触時間)

有業者のテレビ,ラジオ,新聞・雑誌の視聴等の時間は,週全体1日平均男性で2時間14分,女性で1時間57分となっている。年齢階級別にみると労働時間が長く,育児に忙しい20歳代,30歳代で男女とも短くなっているが,それ以外では年齢が上昇するほど視聴等は長くなっており,またすべての年齢層で男性の方が長くなっている(第1-7-1図)。

第1-7-1図 有業者・年齢階級別にみたマスメディア接触時間 別ウインドウで開きます
第1-7-1図 有業者・年齢階級別にみたマスメディア接触時間

(メディアの取組)

国民がマスメディアに接する時間は長く,その影響は大きい。メディアの取組として,報道や広報などに係る規範が作成されている。また,放送メディアにおいては,放送への苦情,特に人権や青少年と放送の問題に対して,第三者の立場から迅速・的確に,正確な放送と放送倫理の高揚に寄与する機関を設置している。

規範としては,新聞倫理綱領(日本新聞協会),日本放送協会番組基準(国内番組基準),日本民間放送連盟放送基準(ラジオ,テレビ放送基準)などがある。

放送倫理・番組の向上のための機構としては,日本放送協会及び日本民間放送連盟が設置している「放送倫理・番組向上機構」(BPO)がある。

(徐々に進むメディアにおける女性の参画)

新聞や放送などのメディアの分野における女性の参画は,提供する情報の内容が偏ることを防止したり,性・暴力表現の規制等,メディアが自主的に女性の人権に配慮した表現を行うように取り組んでいく上で重要な役割を果たすものと期待されている。新聞及び放送業界における女性の参画状況についてみると,新聞,民間テレビ・ラジオ,日本放送協会の全従業員に占める女性の割合,女性記者の割合,管理職割合は全体として徐々にではあるが進展している(第1-7-2図)。

第1-7-2図 各種メディアにおける女性の割合 別ウインドウで開きます
第1-7-2図 各種メディアにおける女性の割合

放送局における部門別の女性社員及び女性管理職の割合をみると,アナウンス,編成・広報,事業,美術,総務・人事・経理は高く,スポーツ,システム・IT,技術は低い。また,ローカル局がキー局,準キー局よりも全体的に女性の社員及び管理職の割合が高くなっている(図1-7-3図)。

第1-7-3図 放送局における部門別女性の割合 別ウインドウで開きます
第1-7-3図 放送局における部門別女性の割合

(男女に差がある情報関連機器の利用率)

近年の高度情報化の進展はめざましく,家庭でも情報機器の普及が進んでいる。総務省「通信利用動向調査」によると,平成16年末には,77.5%の世帯がパソコンを保有し,86.8%の世帯でインターネットを利用しており,利用者数は7,948万人,人口普及率は62.3%と急速に普及が進んでいる。利用端末の種類別では,パソコンからの利用が最も多く6,416万人,携帯電話・PHS,携帯情報端末からの利用者も5,825万人となっている。

インターネットの利用率を男女別にみると,30歳未満ではほぼ同様であるが,30歳以上では男性の方が高く,利用率には男女でかなりの格差がある(第1-7-4図)。

第1-7-4図 性・年齢階級別にみたインターネット利用率 別ウインドウで開きます
第1-7-4図 性・年齢階級別にみたインターネット利用率

情報関連機器の利用率をみると,男性の利用率が高くなっている。これを年齢階級別にみると,30歳未満では女性が男性より高いかほぼ同程度の利用率であるが,他の世代では男性の方が高くなっている(第1-7-5図)。

第1-7-5図 性・年齢階級別にみた情報関連機器の利用率 別ウインドウで開きます
第1-7-5図 性・年齢階級別にみた情報関連機器の利用率

これらのデータから,30歳代より上での世代で,女性は男性と比較して情報通信機器の高度化の恩恵を十分に享受できず,情報活用能力に差が生じている状況がうかがえる。