平成18年版男女共同参画白書

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第5章 女性に対する暴力

(潜在する被害)

内閣府「男女間における暴力に関する調査」(平成17年)によると,これまでに結婚したことのある人(2,328人)のうち,配偶者(事実婚や別居中の夫婦,元配偶者も含む)から“身体に対する暴行”“精神的な嫌がらせや恐怖を感じるような脅迫”“性的な行為の強要”のいずれかについて「何度もあった」という人は,女性10.6%,男性2.6%,「1,2度あった」という人は,女性22.6%,男性14.8%,1度でも受けたことがある人は,女性33.2%,男性17.4%となっている(第27図)。

第27図 配偶者からの被害経験別ウインドウで開きます
第27図 配偶者からの被害経験


(交際相手からの被害)

内閣府の「男女間における暴力に関する調査」(平成17年)において,10歳代から20歳代の結婚前に「交際相手(後に配偶者となった相手以外)がいた(いる)」という人(1,550人)に,当時の被害経験について聞いたところ,“身体に対する暴行”“精神的な嫌がらせや恐怖を感じるような脅迫”“性的な行為の強要”のいずれかをされたことが「あった」という人は,女性13.5%,男性5.2%となっている(第28図)。

第28図 交際相手からの被害経験別ウインドウで開きます
第28図 交際相手からの被害経験


(性犯罪の実態)

警察庁の統計によると,平成17年における強姦の認知件数は6年連続2,000件を超えて2,076件となったが,前年に比べ100件(4.6%)減少した。

強制わいせつの認知件数は,平成11年以降毎年増加していたが,16年から減少し,17年では8,751件と,前年に比べ433件(4.7%)減少している。なお,警察では,女性警察官による事情聴取の拡大,相談電話の設置等,被害申告を促進するための施策を中心とした性犯罪被害者対策を推進している。

(売買春の実態)

平成17年の売春関係事犯送致件数は2,866件となり,前年に比べ増加した。また,要保護女子総数は2,424人で前年に比べ増加したが,未成年者が占める割合は28.9%で,前年に比べ7.2ポイント減少している。

(人身取引の実態)

警察庁の統計によると,平成17年における人身取引事犯の検挙人員は83人であり,このうちブローカーが26人となっている。被害者総数は117人と,前年に比べ40人(51.9%)増加している。

(セクシュアル・ハラスメントの実態)

平成16年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられたセクシュアル・ハラスメントの相談件数は7,706件で,前年度に比べ303件(4.0%)増加しており,そのうち,女性労働者等からの相談件数は6,291件(81.6%)で,前年度に比べ367件(6.2%)増加している。

(ストーカー行為の実態)

平成17年中に警察庁に報告のあったストーカー事案の認知件数は,1万2,220件で,前年と比べ1,183件(8.8%)減少している。また,被害者の88.7%が女性で行為者の89.7%が男性となっている。