平成18年版男女共同参画白書

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第3章 仕事と子育ての両立

(出産・子育ての仕事への影響は女性に偏っている)

厚生労働省「女性雇用管理基本調査」(平成16年度)によると,在職中に出産した者又は配偶者が出産した者に占める育児休業取得者の割合を男女別にみると,女性は70.6%,男性は0.56%であった。また,育児休業取得者のうちの男女別割合をみると,女性は96.1%,男性は3.9%となっており,夫婦に子どもが生まれた場合の育児休業の取得は女性に偏っている。

(母親に偏る育児負担)

妻の就業状況別に夫婦の生活時間をみると,妻の就業の有無にかかわらず夫が家事や育児などにかける時間は妻と比べて著しく短い。女性は共働きの場合は仕事をしながら家事も育児も担い,余暇時間が少なくなってしまっている。諸外国の状況と比較してみても,日本の育児期にある夫の育児及び家事時間は短いことがわかる(第23図)。

第23図 育児期にある夫婦の育児,家事及び仕事時間の各国比較別ウインドウで開きます
第23図 育児期にある夫婦の育児,家事及び仕事時間の各国比較


(男性の育児期の労働時間は長く,育児参加時間は短い)

夫の育児参加時間が短くなっている背景には,育児期の男性の労働時間が長いことがある。男女別,年齢階級別の平均週間就業時間と週60時間以上就業者の割合をみると,女性は30歳代後半から40歳代後半にかけての就業時間が短くなっている一方,男性は30歳代が最も長い。また,週60時間以上働く者の割合も,男性は30歳代が最も高くなっている(第24図)。

第24図 性・年齢階級別就業時間(非農林業)別ウインドウで開きます
第24図 性・年齢階級別就業時間(非農林業)


(企業における仕事と子育ての両立支援策)

前出「女性雇用管理基本調査」(平成16年度)によると,育児のための勤務時間短縮等の措置(短時間勤務制度,フレックスタイム制,始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ,所定外労働の免除,事業所内託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与,育児休業に準ずる措置)を導入している事業所は41.9%となっている(第25図)。

第25図 育児のための勤務時間短縮等の措置の有無・最長利用機関別事業所割合別ウインドウで開きます
第25図 育児のための勤務時間短縮等の措置の有無・最長利用機関別事業所割合