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第3章 仕事と子育ての両立
(極めて低い男性の育児休業取得)
男性の育児休業の取得状況は極めて低くなっている。厚生労働省「女性雇用管理基本調査」(平成15年度)によると,在職中に出産した者又は配偶者が出産した者に占める育児休業取得者の割合を男女別にみると,女性は73.1%,男性は0.44%であった。また,育児休業取得者のうちの男女別割合をみると,女性は97.1%,男性は2.9%となっている。
(出生前後の母親の就業変化)
出産を機に離職する女性も多く,厚生労働省「出生前後の就業変化に関する統計(人口動態統計特殊報告)」(平成15年度)によると,出生1年前に有職であった母親について,出生前後を通じて一貫して母親が有職である場合は約3割に過ぎない。
(男性の育児期の労働時間は長く,育児参加時間は短い)
総務省「社会生活基本調査」(平成13年)によると,夫婦と6歳未満の子どものいる世帯における週全体の平均育児時間は,夫が25分,妻が3時間となっており,夫の育児参加時間は妻に比べて非常に短い。
夫の育児参加時間が短くなっている背景には,育児期の男性の労働時間が長いことがある。男女別,年齢階級別の平均週間就業時間と週60時間以上就業者の割合をみると,女性は30歳代後半から40歳代前半にかけての就業時間が短くなっている一方,男性は30歳代が最も長く,週60時間以上働く者の割合も30歳代が最も高く,30歳代の女性の割合を大きく上回っている(第25図)。
(育児への関わり方についての希望と現実)
厚生労働省委託調査「子育て支援策等に関する調査研究」(平成15年)によると,希望としては,父親の約半数は,仕事等と家事や育児を同等に重視したいと思っているが,現実には,仕事と家事や育児を同等にしている人は25.9%となっている(第26図)。
男女がともに仕事と子育ての両面を大切にできるよう,働き方の見直しや様々な両立支援策を一層進めていくことが重要となっている。