本編 > 第1部 > 第2章 就業分野における男女共同参画
第2章 就業分野における男女共同参画
(進む雇用の非正規化と急増する派遣労働者)
雇用者のうち,正規の職員・従業者に占める女性割合は3割で,昭和60年以降概ね横ばいで推移している。
パート・アルバイトなどの非正規雇用は男女とも増加しており,特に女性はその割合が昭和60年の31.9%から平成16年には51.6%にまで上昇,女性を中心とした労働者の非正規化が急速に進んでいる(第20図)。
第20図 雇用形態別にみた役員を除く雇用者(非農林業)の構成割合の推移
また,近年,パート・アルバイトという形態の非正規雇用のほかに,派遣労働者が急増している。厚生労働省「労働者派遣事業報告書」によると,平成15年の年間の派遣労働者数は約236万人で前年より10.9%増と大幅に増加し,その人数は8年前の約4倍となっている。
(変化する女性の就業に関する意識)
女性が職業をもつことについての考えは,男女ともに,「子どもができてもずっと働きつづけるほうがよい」と考える「継続就業」支持が,「子どもが大きくなったら再就職するほうがよい」と考える「一時中断・再就職」支持を上回った(第21図)。
(管理職に占める女性の推移)
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」で女性管理職を役職別にみると,係長相当職の割合が最も高いが,平成16年は11.0%と初めて1割を超えた。また,役職が上がるにつれて女性の割合は低下し,課長相当職は5.0%,部長相当職では2.7%と極めて低くなっている。
(女性の6割以上が300万円以下の所得者)
国税庁「民間給与実態統計調査」(平成15年度)によると,1年間を通じて勤務した給与所得者について男女別に給与水準をみると,300万円以下の所得者の割合が男性では18.7%であるのに対し,女性では65.1%に達している(第22図)。
(賃金格差は,一般男女労働者間は長期的には縮小傾向,パートタイム労働者と一般労働者間は平成15年にはやや縮小)
男性一般労働者の給与水準を100とした時,女性一般労働者の給与水準は68.8となっている。また,男性の一般労働者と女性パートタイム労働者では,女性のパートタイム労働者の給与水準は男性一般労働者の43~45台でほぼ横ばいで推移しており,平成16年は45.2と,前年に比べ0.7ポイント格差が縮小しているものの,依然非常に低い水準にとどまっている(第23図)。
(共働き世帯は増加)
平成9年以降は共働きの世帯数が男性雇用者と無業の妻からなる片働き世帯数を上回っている(第24図)。