平成17年版男女共同参画白書

本編 > 第2部 > 第2節 仕事と育児・介護の両立のための雇用環境の整備

1 仕事と育児・介護の両立に関する意識啓発の推進

厚生労働省では,仕事と家庭の両立について社会全般の理解を深めるため,10月を「仕事と家庭を考える月間」として全国的に広報活動を実施するほか,あらゆる機会をとらえて積極的な周知啓発活動を行っている。

2 仕事と育児・介護の両立のための制度の一層の定着促進・充実

次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)に基づき,企業等が仕事と子育ての両立を図るために必要な雇用環境の整備等を進めるために策定・実施することとされている「一般事業主行動計画」について,企業等に対して周知・啓発を行うこと等により,子どもを安心して産み育てられる環境づくりに向けた取組を積極的に推進している。

また,育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)においては,労働者の仕事と家庭の両立の負担を軽減するため,育児休業・介護休業制度,時間外労働の制限の制度,深夜業の制限の制度,勤務時間短縮等の措置を講ずる義務などを規定している。同法が遵守されるよう引き続き事業主に対して指導等を行うとともに,育児休業の申出や取得を理由とした不利益取扱いなどについての労働者からの相談に対応している。

さらに,育児休業制度等をより利用しやすい仕組みとするため,1育児休業・介護休業の対象労働者の拡大,2育児休業期間の延長,3介護休業の取得回数制限の緩和,4子の看護休暇の創設等を内容とする育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律等の一部を改正する法律(平成16年法律第160号)が平成16年12月に成立したところである。

なお,船員の育児や家族介護のための休業については,陸上労働者とは異なる特殊な事情を考慮した上で,船員についても育児・介護休業の定着を図るよう努めている。

人事院では,平成15年10月に有識者による「多様な勤務形態に関する研究会」を設置しており,同研究会が16年7月に行った中間取りまとめにおける提言を踏まえて,国家公務員の仕事と家庭の両立支援のための施策を一層推進するため,妻の産前産後の期間に夫である男性国家公務員が取得できる育児参加のための特別休暇(5日)を新設するとともに,育児・介護を行う職員に早出遅出勤務を適用することとした。また,併せて,配偶者出産休暇の事由拡大及び取得方法の弾力化,子の看護休暇の取得方法の弾力化,介護休暇の請求期限の緩和を行った(休暇については平成17年1月1日,早出遅出勤務については同年4月1日施行)。

さらに,各府省に対して「育児を行う職員の仕事と育児の両立支援制度の活用に関する指針」を発出し,併せてパンフレットを作成し,各府省の人事担当部局等を通じて育児を行うこととなる職員に配付することとした。

3 育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい環境の整備

(1)ファミリー・フレンドリー企業の普及促進

企業の「仕事と家庭の両立のしやすさ」を示す両立指標についてインターネット上でその進展度を診断できるファミリー・フレンドリー・サイトの利用等による活用を進めるなど周知・広報を行うとともに,ファミリー・フレンドリー企業表彰(厚生労働大臣表彰及び都道府県局長表彰)の実施により,仕事と育児・介護とが両立できるような様々な制度を持ち,多様でかつ柔軟な働き方を労働者が選択できるような取組を行うファミリー・フレンドリー企業の普及促進を図っている。

(2)助成金の支給等による事業主に対する支援

育児や家族の介護を行う労働者が働き続けやすい雇用環境を整備する事業主に対し,助成金を支給するなどの支援を行っている。

(3)育児・介護を行う労働者に対する情報提供,相談による支援

育児・介護等の各種サービスに関する相談に応じるとともに,地域の具体的情報を電話やインターネットにより提供している(フレーフレー・テレフォン事業及びフレーフレーネット)。

(4)ファミリー・サポート・センター事業の推進

急な残業など臨時的,一時的な保育・介護ニーズに対応するため,会員制で地域における育児・介護に関する相互援助活動を行う市区町村に対して補助を行っている。

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