平成17年版男女共同参画白書

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第1節 国内本部機構の組織・機能強化

1 男女共同参画会議の機能発揮

(1)男女共同参画会議の活動

内閣府に設置された重要政策に関する会議の一つである男女共同参画会議は,内閣総理大臣や議長である内閣官房長官及び男女共同参画担当大臣のリーダーシップの下,男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な方針,基本的な施策及び重要事項などについて調査審議を進めてきた。

平成16年度は,「地球社会の「平等・開発・平和」への貢献」に係る施策についての実施状況を監視し,平成16年4月及び7月にそれぞれ「政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見」として決定し,内閣総理大臣及び関係各大臣に意見を述べた(第2-1-1表)。

第2-1-1表 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見(男女共同参画の視点に立った政府開発援助(ODA)の推進について,国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透について)別ウインドウで開きます
第2-1-1表 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況及び今後の取組に向けての意見(男女共同参画の視点に立った政府開発援助(ODA)の推進について,国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透について)

(2)各専門調査会の活動

女性に対する暴力に関する専門調査会では,平成16年12月以降,男女共同参画基本計画の重点目標のうち「女性に対するあらゆる暴力の根絶」についての調査検討を行っている。

なお,平成16年12月2日に改正配偶者暴力防止法が施行され,主務大臣(内閣総理大臣,国家公安委員会,法務大臣,厚生労働大臣)において,同法に基づく基本方針が策定されたが,その策定に当たっては,女性に対する暴力に関する専門調査会からも意見が出された。

苦情処理・監視専門調査会では,重点的に監視を行う施策として,男女共同参画基本計画の重点目標2「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し,意識の改革」に掲げる重点目標11「地球社会の「平等・開発・平和」への貢献」に掲げる施策について引き続き調査検討を進め,「男女共同参画の視点に立った政府開発援助(ODA)の推進」及び「国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透」について報告を取りまとめた。

影響調査専門調査会では,特に女性のライフスタイルの選択に影響の大きい税制,社会保障制度,雇用・就業について調査検討を行い,「ライフスタイルの選択と雇用・就業に関する制度・慣行」についての報告を取りまとめた。

平成16年7月に専門調査会が再編され,男女共同参画基本計画に関する専門調査会,監視・影響調査専門調査会及び少子化と男女共同参画に関する専門調査会が設置された。

なお,これに伴い,苦情処理・監視専門調査会及び影響調査専門調査会は廃止された。

苦情処理・監視専門調査会及び影響調査専門調査会の機能は,平成16年7月から監視・影響調査専門調査会に引き継がれ,同専門調査会において引き続き調査審議が行われている。また,男女共同参画基本計画に関する専門調査会では,新しい男女共同参画基本計画の策定に当たっての基本的な考え方について調査検討を行っている。少子化と男女共同参画に関する専門調査会では,統計データ等の分析を通じて,少子化と男女共同参画の関係について調査検討を行っている。

2 総合的な推進体制の整備・強化等

(1)男女共同参画基本計画の推進

政府は,「男女共同参画基本計画」に沿って,関係行政機関が連携を保ちつつ,総合的に諸施策を推進している。

なお,現行の男女共同参画基本計画は,平成22年までの長期的な政策の方向性と17年度末までに実施すべき具体的施策を盛り込んでいる。このため,17年度末までに改定を行う必要があり,16年7月28日に男女共同参画会議に対して総理から次期計画の策定に当たっての基本的考え方について諮問がなされた。これを踏まえ,男女共同参画基本計画に関する専門調査会及び女性に対する暴力に関する専門調査会において,調査検討を行っている。

(2)年次報告等の作成

男女共同参画社会基本法(平成11年法律第76号)第12条に基づき,「平成15年度男女共同参画社会の形成の状況に関する年次報告」及び「平成16年度において講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策」(男女共同参画白書)を作成した。

(3)国際機関・諸外国の国内本部機構との連携・協力の推進

男女共同参画社会の形成の促進に関する各種国際会議への出席,相互交流,インターネット等を活用した情報交換を通じて,国際機関,諸外国の国内本部機構との連携・協力に努めた。

(4)男女共同参画担当大臣

平成4年の宮澤内閣の改造に際し,女性問題を総合的に推進するために行政各部が所管する事務の調整を行う婦人問題担当大臣が置かれ,内閣官房長官が指定された。その後名称は「女性問題担当」,「男女共同参画担当」と変わるが,以後歴代内閣において男女共同参画を担当する大臣が置かれており,9年9月の内閣改造以来内閣官房長官が「男女共同参画担当」に指定されている。

平成13年1月以降は,内閣府設置法(平成11年法律第89号)に基づく特命担当大臣としてより強力かつ迅速に男女共同参画社会の形成の促進に関する事項の企画立案及び総合調整を行っている。

(5)男女共同参画推進本部及び男女共同参画担当官会議の開催

男女共同参画推進本部(以下「本部」という。)は,閣議決定に基づき,内閣総理大臣を本部長,内閣官房長官(男女共同参画担当大臣を兼務)を副本部長とし,特命担当大臣を含む全閣僚を本部員として内閣に設置されている。本部には,男女共同参画担当官が置かれ,本部員を補佐するとともに関係行政機関において所要の調整の事務を行っており,また,関係行政機関相互の機動的な連携を図るために,男女共同参画担当官会議が置かれている。

平成16年度は,4月に「女性国家公務員の採用・登用の拡大等について」を決定し,これを受けて各省庁人事担当課長会議において,当面(平成22年度頃まで)の政府全体としての採用者に占める女性割合を,国家公務員採用I種試験事務系については30%程度を目標とすること等を申し合わせた。

なお,本部会議の開催等必要に応じ,男女共同参画担当官会議を開催することとしている。

(6)男女共同参画に関する施策についての苦情の処理に関する取組の推進

男女共同参画に関する施策についての苦情の処理や人権が侵害された場合における被害者の救済に関する取組を推進するため,関係機関の連携強化,従事者の知識・技能の向上及び活動の活性化等を図っている。

内閣府では,国及び地方公共団体に寄せられた男女共同参画に関する施策についての苦情内容等について取りまとめ,監視・影響調査専門調査会に報告した。また,苦情解決に当たっての視点・方法論,苦情事例等を紹介する「苦情処理ガイドブック」を改定し,関係機関等に配布するほか,地方公共団体における苦情処理事務担当者,行政相談委員及び人権擁護委員を対象とする研修を実施した。

総務省では,行政相談委員の中から指名した男女共同参画担当委員(平成15年9月全国で123名指名)と連携し,男女共同参画の認識を高めるための研修会,シンポジウム等の開催や関係施策の説明資料の配布を行ったほか,男女共同参画社会に関する施策についての苦情等を受け付けるための行政相談所を開設した。また,平成17年2月には,都道府県ごとの男女共同参画担当委員の代表者が集合して,活動内容についての発表・討議や,人権擁護委員との意見交換を行うなどにより,苦情処理等の機能の充実方策,今後の活動の活性化等について検討を深めた。

法務省では,人権擁護委員に対し,男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された被害者の相談などに適切に対処するために必要な知識の習得を目的とする「人権擁護委員男女共同参画問題研修」を実施した。

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