平成16年版男女共同参画白書

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第2節 地域社会における男女共同参画の進展

地域においても,男女共同参画推進体制の整備,政策・方針決定過程への女性の参画の拡大など,男女共同参画社会に向けてのあゆみは着実に進展している。また,近年,NPO活動等への女性の積極的な参加が見られ,女性の活躍は「地域社会」の活性化の大きな力となっている。


(地方行政における男女共同参画体制の充実)

国が昭和50年に国内本部機構を設置し,52年には「国内行動計画」を策定したことを契機に,地方公共団体においても女性に関する施策を所管する部署や首長の諮問機関の設置が始まり,以後,女性に関する行政を推進する体制が作られてきた。その後,平成11年の男女共同参画社会基本法の制定に伴い,男女共同参画に関する施策を所管する体制となっている。


(地方における政策・方針決定過程への女性の参画)

地方における政策・方針決定過程への女性の参画も進展している。地方議会における女性議員割合の推移をみると,昭和50年代は,都道府県議会については1%強,市議会については2%台,町村議会については1%にも満たなかったが,その後着実に増加し続け,平成15年末現在では,都道府県議会は6.9%,市議会は11.9%,町村議会では5.6%まで伸びている。また,特別区議会については,昭和50年代当時も女性議員割合は6~7%台と他に比べて高かったが,平成15年末現在は21.5%にまで達している。

また,審議会等委員への女性の登用が進められているほか,女性地方公務員の採用・登用拡大のための取組も推進されている。


(地域社会における女性の活躍)

近年,国民の価値観の多様化等により,行政サービスや企業活動のみでは対応できない様々なニーズが生まれ,各種住民活動が盛んになってきている。特に,NPOなどの市民活動団体の活動内容は非常に多様で,高齢者への給食サービスや障害者の外出サポートサービスなどの福祉分野から,まちづくりや地域安全活動などの地域全体に関わる活動や男女共同参画社会の推進などの住民意識の向上を目的として活動している団体もある。平成10年には,特定非営利活動促進法(NPO法)が制定され,これらの活動を行う団体が法人格を有することができるようになり,法人格を有することで社会的信用も一層増し,活動の幅も更に広がっている。

これらの活動の担い手について見ると,女性が活動の中核になっていることが分かる。内閣府委託調査「市民活動団体等基本調査」(平成13年4月)によると,無給の非常勤スタッフだけで事務局を運営している団体が6割を超え,女性の事務局スタッフが多い団体は5割強に上る。スタッフの担い手については,主婦などの家事従事者が全団体の48.5%,年金生活者・定年退職者が31.4%となっている。

ボランティアの場においても,女性は主たる担い手として活躍している。(社福)全国社会福祉協議会「全国ボランティア活動者実態調査」(平成13年)によると,ボランティア活動者の職業は「仕事をもっていない主婦」が最も多い(38.1%)。

さらに,女性のNPO活動や地域活動が起業に転化する事例が増えてきており,福祉,子育てや地域づくりなどに女性が主体となって活躍し,貢献している好事例が注目される。

起業,地域活動等にチャレンジする女性を支援する取組も進められており,平成15年4月の男女共同参画会議及び同年6月の男女共同参画推進本部においては,「女性のチャレンジ支援策」が決定され,関係機関が提供している情報のワンストップ・サービス化,事例紹介によるロールモデル形成など,地域の実情に応じた女性のチャレンジ支援策が進められている。

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