平成16年版男女共同参画白書

コラム > 女性の能力活用と企業・社会の利益

(社)日本経済団体連合会を始め企業は,昨今,男女共同参画の必要性を,法令遵守義務や人権保護の観点からのみならず,積極的な企業の経営戦略としてとらえるようになってきた。

経済産業省がまとめた男女共同参画研究会報告「女性の活躍と企業業績」によると,女性が活躍できる風土を持つ企業は企業の利益率が高いという調査結果がでている。しかし,単なる女性比率の高さと利益率との相関関係はみられず,女性も活躍できるような人事・労務管理を行っていること,すなわち女性が活躍できる風土を持っていることが真の要因であるという結論を出している(第1-序-7図)。

第1-序-7図 女性が活躍できる風土と企業業績との関係別ウインドウで開きます
第1-序-7図 女性が活躍できる風土と企業業績との関係

また,性別に関係なく個人を処遇する均等施策を行う企業は,女性比率も高く,経営成果も良好な傾向にあることから,均等施策は女性の活躍と企業業績向上を両立させ得るという結論も出している。

(財)21世紀職業財団「企業の女性活用と経営業績との関係に関する調査」(平成15年)においては,女性の活用が進んでいる企業ほど企業の業績は良いという結論を出している。「5年前と比較した女性管理職比率の変化」が「大幅に増えた」企業の売り上げ指数が173.7であるのに対し,「大幅に減った企業」の指数は83.5で,実に2倍以上の差がある(第1-序-8表)。

第1-序-8表 女性社員の活用と経営業績との関係別ウインドウで開きます
第1-序-8表 女性社員の活用と経営業績との関係

日本経営者団体連盟(当時)が打ち出したダイバーシティ戦略などが多くの企業に普及し,またこのような調査・研究が更に進んでその有益性が立証されていくことにより,企業が女性活用の重要性を理解し,その取組が拡大していくのではないかと思われる。

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