平成15年版男女共同参画白書

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第2章 就業の分野における男女の共同参画

(入職者に占めるパートタイム労働者の割合は男女ともに増加)

全入職者に占めるパートタイム労働者の割合は,男女ともに増加しており,女性では50%を超え,男性においても約20%となっている。また,女性の一般未就業者(当該事業所に入職する前1年間に就業経験がなかった者をいい,学卒未就業者を除いた者。)からの全入職者に占めるパートタイム入職者の割合は,70%を超えており,正社員での入職は難しくなっている現状にある(第30図)。

第30図 パートタイム労働者の入職状況別ウインドウで開きます
第30図 パートタイム労働者の入職状況

(女性のパートタイム労働者の正社員希望は高い)

(財)21世紀職業財団「多様な就業形態のあり方に関する調査」(平成13年)によると,女性のパートタイム労働者が非正社員を希望した動機としては,20歳代では,「正社員として働きたかったが,希望にあう勤務先がなく,やむを得ず非正社員になった」者が比較的多くなっているが,30~50歳代では,「自ら進んで非正社員になった」者が多くなっている。

しかし,「育児・家事・介護がなかったら正社員を希望した」者は,30~34歳で55.6%,35~39歳で47.5%,40~44歳で49.7%と子育て期の女性で高くなっている。

(所定内給与の男女差は縮小傾向,パートタイム労働者と一般労働者の格差は拡大傾向)

厚生労働省「毎月勤労統計調査年報」(平成13年)によると,常用労働者(一般労働者,パートタイム労働者からなる)1人の平均月間現金給与額は,男性44万196円,女性22万727円であり,女性は男性の50.1%にすぎず,平成元年以降ほとんど変化がみられない。

雇用形態別にみると,女性一般労働者の時間当たり平均所定内給与額は,平成13年で男性一般労働者の66.1%であり,依然として大きな開きがあるものの,縮小傾向にある(第31図)。

第31図 労働者の時間当たり平均所定内給与額の推移(男性一般労働者=100)別ウインドウで開きます
第31図 労働者の時間当たり平均所定内給与額の推移(男性一般労働者=100)

パートタイム労働者(同一企業の一般労働者より1日の所定労働時間又は1週間の労働日数が少ない労働者をいう。以下同じ。)と一般労働者の賃金格差は年々拡大しており,女性パートタイム労働者の時間当たり所定内給与額は男性一般労働者の43.9,男性パートタイム労働者と男性一般労働者の格差は,50.7と大きくなっている。一方,女性パートタイム労働者と男性パートタイム労働者の賃金格差は年々縮小傾向にあり,平成13年では86.5となっている。

パートタイム労働者と一般労働者の賃金格差は,男女共通の課題となっている。

(男女で大きな差がみられる給与所得)

男女の給与所得には大きな開きがある。1年間を通じて勤務した給与所得者を給与階級別にみると,女性では300万円以下が63.8%(男性17.0%),100万円以下も15.3%(男性は1.9%)と多い反面,700万円超は3.2%(男性23.3%)と男女差が大きい(第32図)。

第32図 給与階級別給与所得者の構成割合別ウインドウで開きます
第32図 給与階級別給与所得者の構成割合

(役職別管理職に占める女性割合は年々増加)

登用の状況をみると,管理職に占める女性の割合は総じて増加傾向にある。

役職別にみると,係長相当職では増加傾向にあり,平成13年では8.3%となっている。しかし,役職が上がるにつれて女性の割合は減り,課長相当職では3.6%,部長相当職では1.8%と低くなっている(第33図)。

第33図 役職別管理職に占める女性割合の推移別ウインドウで開きます
第33図 役職別管理職に占める女性割合の推移

(男性の年功賃金カーブは伸び悩み)

コーホート別(出生年代別)に男性労働者の所得の推移をみると,年齢が若くなるほど所得の伸びは低く抑えられており,1965~69年生まれの現在30歳代半ばと1940~44年生まれの現在50歳代後半から60歳代では,大きな差が生じている(第34図)。

第34図 男性の年功賃金カーブ(コーホート別)(男性労働者(学歴計),産業規模計)別ウインドウで開きます
第34図 男性の年功賃金カーブ(コーホート別)(男性労働者(学歴計),産業規模計)

(共稼ぎ世帯は増加)

雇用の不安定化,所得の伸び悩み等も影響し,昭和55年以降,夫婦ともに雇用者の世帯は年々増加し,平成9年以降,男性雇用者と無業の妻からなる世帯を上回っている(第35図)。

第35図 共稼ぎ世帯数の推移別ウインドウで開きます
第35図 共稼ぎ世帯数の推移

また,「男女共同参画社会に関する世論調査」(平成14年7月)で,有配偶者の女性の「働いている理由」についてみると(複数回答),「家計の足しにするため」が42.7%と最も多くなっており,「生計を維持するため」の39.7%が次に多くなっている。

共稼ぎにより家計を支えていくというライフスタイルが,実態面,意識面の両面において広がりつつある。

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