平成15年版男女共同参画白書

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第4節 売買春への対策の推進

1 売買春の取締りの強化,売買春からの女性の保護,社会復帰支援

捜査機関では,売春防止法(昭和31年法律第118号),風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号),児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号。以下「児童買春・児童ポルノ法」という。),児童福祉法,刑法(明治40年法律第45号)及び地方公共団体が定める青少年保護育成条例等の厳正な運用を図っている。

法務省では,刑務所,少年院及び婦人補導院において,矯正教育の一層の充実に努めている。

厚生労働省では,売買春を未然に防止するため,婦人相談所及び婦人保護施設並びに婦人相談員による婦人保護事業の積極的な実施に努めている。

2 児童買春に対する対策の推進

警察では,児童買春の根絶を図るため,児童買春・児童ポルノ法に基づく取締りを強力に推進するとともに,被害児童に対しては,関係機関等と連携しつつ,必要に応じ継続的な支援等を実施するなどの保護対策を推進している。

内閣府では,「出会い系サイト」に係る児童買春等の犯罪から年少者を守るため,(1)広報啓発活動等の推進,(2)事業者等に対する協力要請,(3)取締りの強化等,(4)法規制の検討を盛り込んだ「『出会い系サイト』に係る児童買春等の被害から年少者を守るために当面講ずべき措置」(青少年育成推進会議申合せ)を平成14年10月に策定し,関係省庁と連携しながら取組を推進している。

厚生労働省では,児童買春の被害者となった児童に対し,相談,一時保護,児童養護施設等への入所を行い,場合により心理的治療を行うなどその心身の状況に応じた適切な処遇を図っている。

3 国際的動向への対応

警察では,女性と児童の人身取引を防止するため,関係法令による適切な取締りをはじめ,被害女性の保護等の総合的な対策を,関係省庁,関係団体と連携して推進する一方で,日本国民による海外での児童買春等の問題については,児童買春・児童ポルノ法の国外犯処罰規定を適用して児童買春・児童ポルノ事犯をそれぞれ検挙するなど,外国の捜査機関と緊密に連携し,的確な対応を図っている。

また,児童買春・児童ポルノ法に基づく日本国民の国外犯の取締りのため,CSEC(Commercial Sexual Exploitation of Children)東南アジアセミナーの開催や外国捜査機関との情報交換の緊密化等により連携を強化している。

「児童売買,児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約選択議定書(仮称)」及び「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人,特に女性及び児童の取引を防止し,抑止し及び処罰するための議定書(仮称)」については,我が国も,それぞれ平成14年5月10日,同年12月9日に署名し,その締結に関する検討作業を進めている。また,「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」の締結のための法整備につき,14年9月3日,法務大臣から法制審議会に対して諮問がされた。また,我が国も,これらの条約等の趣旨を踏まえ,これらの問題の解決に向け地域間会合等を主催するなど積極的な取組を行っている。

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