平成15年版男女共同参画白書

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序説のポイント

第1節 男女共同参画における各国の特徴と意識

  • 日本の女性の社会参画水準は欧米諸国と比較して低い。この背景には,仕事と子育ての両立支援策等女性の就労に対する環境整備水準の違いや根強い固定的性別役割分担意識により,能力を十分に発揮する機会に恵まれていないこと等がある。
  • 意識面では,ほとんどの国で「職場」,「政治」,「社会通念・慣行・しきたり」で特に男性が優遇されているとする割合が高い。

第2節 政治・行政分野における女性の参画

  • 女性の国会議員割合はスウェーデン,ドイツで特に高く,日本,韓国では1995年以降上昇しているものの10%を下回り,増加の時期やスピードに著しい差がみられる。
  • 日本,アメリカ以外の国はクォータ制を何らかの形で導入しているか導入した経験がある。また,欧米諸国では資金の援助やメンター制等クォータ制以外の女性議員を増やす取組も行われている。
  • 国家公務員に占める女性割合及び上位の役職者に占める女性割合をみると,日本はそれぞれ20.2%,1.4%で各国と比べても最も低い。

第3節 労働分野における女性の参画

  • 日本の女性の労働力率は,育児期に当たる時期に低下するM字カーブを描くが,就業希望者を含めた潜在的労働力は,落ち込みがない欧米諸国型の逆U字カーブに近づく。管理的職業従事者に占める女性の割合は欧米諸国に比較すると日本は極めて低い。
  • 欧米諸国において,育児期の女性の労働市場への参画を促している制度的要因としては,正社員の安定した身分を保障された上での柔軟な労働時間の転換制度,育児休業期間の長さ,民間保育サービスの充実があり,子育ての負担が軽減するほど,女性の労働力率は高い。

第4節 家庭生活における男女の共同参画

  • 合計特殊出生率で日本は最も低い水準にある。固定的性別役割分担意識により,女性は結婚すると家事労働などの負担が重く,自分のキャリアをあきらめなければならない状況になってしまうと考えることも背景の一つにあると考えられる。
  • 固定的性別役割分担意識は,近年若年層でやや希薄化しているが,欧米諸国に比較すると依然強い。
  • 個別具体的な役割分担の実施状況は,日本では妻に偏りがあるのに対し,欧米諸国では比較的家族全員で行う割合が高い。

おわりに

  • 女性が政治や行政分野へ果敢にチャレンジし,それを支援していく様々なレベルでの取組が行われ,女性の参画のスピードアップが図られるものと期待される。
  • 仕事と子育ての両立支援策等の環境整備を強力に推進するとともに,性別役割分担に縛られることなく,男女が仕事にも家庭生活にもバランスよく参画できるような社会をつくり出していくことが求められている。
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