平成15年版男女共同参画白書

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子どもと大人の家事の役割分担意識

内閣府「男女共同参画社会に関する国際比較調査」(平成14年度)では,洗濯,掃除などの家事をだれが分担しているかとの問いに対する女性の回答は,夫・パートナー,妻・パートナー,子ども,家族全員,その他の人との選択肢から日本は他の国よりも多くの割合で妻・パートナーと回答している(第1-序-43図)。

第1-序-43図 家事における妻の分担状況
第1-序-43図 家事における妻の分担状況

一方,1993年5月から1994年3月までに世界の都市の小学5年生を対象とした家庭に関する調査(ベネッセ教育総研「第4回国際比較調査・家族の中の子どもたち」モノグラフ・小学生ナウVol.14-4,1994年)が行われており,この中で洗濯,部屋の掃除,夕食後の皿洗い,夕食の手伝い等についての質問がある。調査時期等は異なるものの,この調査結果で「毎日する」,「わりとする」との回答率は,おおむね日本は男女とも他国と比べ少ない。また,各国とも男女で違いはあるが,日本は全体として男女差が大きい傾向にあると思われる(第1-序-44図)。

第1-序-44図 子どもの手伝いの状況
第1-序-44図 子どもの手伝いの状況

なお,上記調査では日本の子どもの手伝いをしている率は外国と比べて少ないことも示されている(例えば部屋の掃除では男子はソウルの54%,ロンドンの40%,ニューヨークの45%。女子は同じく71%,50%,70%)。日本では,妻は子育て中は仕事を辞め,また,夫は仕事で忙しく家事への支援が少ないので,妻が家事の役割を担っているという状況であり,子どもへも手伝いをさせておらず,また,子どもの手伝いのさせ方にも男女差が大きいと思われる。こうした体験からも「夫は仕事,妻は家庭」という意識の再生産がなされているということも考えられる。家庭内での夫婦の共同参画を進め,子どもへの手伝いのさせ方についても考えることが望まれる。

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