平成14年版男女共同参画白書

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第4章 高齢男女の暮らし

(高まる高齢者の単独世帯割合)

高齢者の家族形態別の構成割合の推移をみると,全体として「ひとり暮らし」,「夫婦のみ」が上昇し,「子供夫婦と同居」は低下している。特に女性では「ひとり暮らし」など配偶者がいない場合が52.7%と男性(15.0%)と比べ非常に多くなっている。

総務省「国勢調査」(平成12年)によると,約590万人の女性高齢者が配偶者と死別しており,75歳以上では全体の3分の2が死別である。これは,女性の高齢者が多いことに加えて,年上の男性と結婚する女性が多いことが影響している。このようなことから,女性の単身高齢者は,昭和55年の69万人(男性18万人)から,平成12年には229万人(男性74万人)と,大幅に増加しており,32年(西暦2020年)には,361万人(男性176万人)に達すると推計されている。

(介護)

介護の問題は,高齢化の問題と切り離すことができない。65歳以上の介護保険法の要支援又は要介護と認定された者(以下「要介護者等」という。)は,259万8千人であり,65歳以上人口の約12%に相当する。これを年齢別にみると,前期高齢者(65~74歳)では9割以上が要介護者等でないが,年齢が高くなるほど要介護者等の割合が上昇し,85~89歳で39.3%,95歳以上では72.9%と大幅に上昇する。また,要介護者等の約7割は女性である(第20図)。

一方,介護する側としても,女性にとって介護は切実な問題である。厚生労働省「介護サービス世帯調査」(平成12年)で65歳以上の要介護者等と主な介護者の続柄をみると,妻が19.8%(夫は8.4%),娘が19.7%(息子は9.5%),息子の配偶者が29.0%であるなど,主な介護者の72.7%が女性となっており,その3分の1は65歳以上の高齢者である。

介護の負担を要介護者等の家族,とりわけ女性に集中することなく,社会全体で支えていくことが重要である。

第20図  年齢階級別の要支援・要介護認定者数

(高齢者の就業)

このように介護は高齢者にとって大きな問題であるが,日常生活に支障があるとする高齢者(65歳以上)は,女性の21.1%,男性の19.2%にすぎない(厚生労働省「国民生活基礎調査」平成10年)。高齢女性の14.1%,男性では33.4%は就業者であり,75~79歳でも女性の1割,男性の4分の1が働いている。

高齢社会を豊かで活力あるものとしていくためには,高齢男女を支えられる存在として画一的にとらえるのではなく,多様なライフスタイルをもち,社会を構成する重要な一員として,その役割を積極的にとらえていくことが重要である。

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