男女共同参画社会基本法逐条解説

(資料提出の要求等)

第27条 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、 監視又は調査に必要な資料 その他の資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力(1)アを求めることができる。

2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるとき(2)アは、 前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる(2)イ

1 趣旨

男女共同参画会議が、監視・調査等の所掌事務を遂行するため、

<1>関係行政機関の長に対し、「監視又は調査に必要な資料その他の資料の提出」、「意見の開陳」、「説明」及び「その他必要な協力」を求めることができること、

<2>関係行政機関の長以外の者に対しても、「必要な協力」を依頼することができること、を定めるものである。

旧審議会(法)、新審議会(法)の同様の規定を引き継いだものである。


2 用語解説

(1)第1項
ア 「必要な協力」

第1項に定める「監視又は調査に必要な資料その他の資料の提出」の要求は、通常は書面による資料の提出を求 めるものではあるが、書面のみにては実態が明らかにされず、視察など実地の調査が必要となる場合は、その必要性を 明らかにして実地調査が行えるようにする協力を求めることは「必要な協力を求める」ことと解釈される。

(2)第1項
ア 「特に必要があると認めるとき」

男女共同参画会議の具体的活動を想定すれば、所掌事務を遂行するために必要な実態把握については、まずは、 関係行政機関に対して資料提出や、意見、説明の聴取等の措置を求めるところから始まり、これで不十分な場合に、関 係行政機関の長以外の者に協力を依頼することが通常の手順と考えられるため、法文上もこの手順を反映させることが 適当と考え、「特に必要があると認めるとき」としたものである。

イ 「前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる」

男女共同参画会議が所掌事務を行うに当たっては、例えばメディアにおける性の商品化や暴力表現、家庭内の夫か ら妻への暴力など事柄の性格上、関係行政機関を通じては必ずしもその実態等が十分に把握できない事項などについ て、これらに日常的に取り組んでいる女性団体等関係行政機関の長以外の者に対しても必要な協力を依頼することが不 可欠な場合があると見込まれることから、会議が所期の任務を遂行できるよう、これらの者に対する協力依頼に関する 規定を確認的に設けたものである。 なお、地方公共団体に協力を要請するさいの根拠も同項である。


<参考>第1項又は第2項に基づき、会議から資料の提出等の必要な協力を求められ、あるいは依頼された場合

第1項に基づく関係行政機関の長に対する監視又は調査に必要な資料その他の資料の提出等の協力の要求については、 正当な合理的理由がない限り、これを拒否することはできないと解される。

第2項に基づく関係行政機関の長以外の者に対する協力の依頼については、相手方はこれを拒否することができると 解される。

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