7 女性に対するあらゆる暴力の根絶

施策の基本的方向 具体的施策 担当府省

(1)女性に対する暴力を根絶するための基盤づくり

女性に対する暴力を根絶するためには、それが犯罪にも該当する決して許されないものであるとの認識を広く社会に徹底することが重要である。平成11年には国連において「女性に対する暴力撤廃国際日」が定められ、各国の取組が促されているところであり、こうした動き等を踏まえ、広報啓発活動を一層推進する。また、被害者が相談しやすい環境を整備するとともに、刑罰法令の的確な運用や関係機関間の連携の推進等女性に対する暴力に対処するための体制整備を進める。さらに、女性に対する暴力の発生を防ぐため、防犯対策の強化や地域安全活動の推進等の様々な環境整備に努めるとともに、被害の状況についての実態把握等により的確な施策の実施に資する。

ア 女性に対する暴力への社会的認識の徹底

  • 国民の意識啓発

    平成12年度から始めた「女性に対する暴力をなくす運動」を定着させ、国際的な動向も踏まえつつ、国民運動として一層推進するほか、「人権教育のための国連10年」における取組や「人権週間」等をも通じて、広く国民に対する意識啓発のための活動を行う。

    また、特に若年層に留意しつつ、女性の人権尊重や、暴力によらない問題解決の方法が身につくような教育・学習の充実を図る。

イ 体制整備

  • 相談・カウンセリング対策の充実

    関係行政機関等において、相談窓口の所在等を広く周知するとともに、警察においては、女性警察職員が相談や被害の届出を受理する女性相談交番等の相談窓口の整備を図る。さらに、事案に応じて中・長期にわたる相談・カウンセリングを行うなど、被害者に対するケアの充実を図る。

  • 研修・人材確保

    被害者からの事情聴取に直接携わる警察官・検察職員について、被害者の心情や精神状態に十分配慮した対応を確保するため、警察学校、職場等における各種事案の特性に応じた研修、訓練の実施等により職員等に対する研修を充実する。また、女性に対する暴力事案に従事する女性警察官等の配置の拡大を図る。

    なお、出入国管理行政の対象となる外国人女性が女性に対する暴力の被害者であった場合の当該女性の心情等に十分配慮した事情聴取等地方入国管理官署における適切な対応を確保する観点から、入国審査官、入国警備官等に対する各種研修の実施を引き続き推進する。

    また、婦人相談所職員、婦人相談員及び婦人保護施設職員等について、被害女性の専門的相談援助に係る研修を充実させ、その資質・能力の向上を図る。

  • 厳正かつ適切な対処の推進

    警察においては、刑罰法令に抵触する場合には被害女性の意思を踏まえ、検挙その他の適切な措置を講じ、刑罰法令に抵触しない場合においても、事案に応じて防犯指導、他機関への紹介等の適切な自衛・対応策を教示するなどの措置を講じる。

    人権擁護機関においては、人権侵害の疑いのある事実を認知した場合、調査を行い、女性に対する人権侵害の事実が認められた場合,その排除や再発防止のために事案に応じた適切な処置を講じる。

  • 関係機関の連携の促進

    男女共同参画推進本部及びその下に設置された女性に対する暴力に関する関係省庁課長会議並びに犯罪被害者対策関係省庁連絡会議等の場を通じて、関係行政機関相互の連携を深め、関係施策を総合的に推進する。また、地方公共団体等とも連携することにより、国の法制度や関係施策について関係者の理解の促進に努める。

    警察においては、地方自治体、法曹界、医療関係者、報道機関、経済界等関係機関等により設立された各都道府県の「被害者支援連絡協議会」の下に「女性被害者対策分科会」等を設けるなどにより、被害者に対する支援や援助等に関し相互に連携を進める。

    また、人権擁護機関においても、関係機関との連携・協力を強化する。

    さらに、行政だけでなく、民間団体や地域住民等幅広い関係者との連携や地域を挙げての取組が期待される。

    いわゆる従軍慰安婦問題が多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとの認識に立って、女性の名誉と尊厳に関する今日的な問題への対応等に取り組む「女性のためのアジア平和国民基金」の活動への協力を推進する。

  • 法的対応

    既存の法制度が関係者に十分理解されず、活用も不十分であった状況を踏まえ、まず運用面で的確な実施を図るとともに、これらの法制度の周知に努める。また、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律及び犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律やストーカー行為等の規制等に関する法律(以下「ストーカー規制法」という。)等によって近年新たに整備された諸制度の適切な運用に努めるとともに、その趣旨や内容等について広報啓発を行う。

    さらに、こうした制度で対応が困難な点があれば、新たな対応を検討する。

ウ 女性に対する暴力の発生を防ぐ環境づくり

  • 安全・安心まちづくりの推進

    近年、公共施設や共同住宅等の住居において女性・子どもを対象とした犯罪が増加していることから、自治体や施設管理者等と連携しながら、犯罪防止に配慮した構造・設備を有する道路、公園等の施設の普及を図ることにより、犯罪被害に遭いにくいまちづくりを推進する。

  • 防犯対策の強化

    女性に対する暴力など身近な犯罪を予防・検挙するため、交番・駐在所を拠点としたパトロールを強化するとともに、ボランティア団体、自治体等と連携しつつ、被害防止のための講習会の開催、防犯ビデオ・マニュアル等の作成、地域安全情報の提供、防犯機器の貸出し、相談等による指導、助言等を積極的に行う。また、女性に対する暴力等の被害者の再被害を防止し、その不安感を解消するため、被害者の要望に基づき、地域警察官による訪問・連絡活動を更に推進する。

  • 有害環境の浄化対策の推進

    卑わいな広告物等の貼付等を行う供給元に対する取締りを実施するとともに、これらの広告物等の排除活動を推進する。また、様々なメディアにおける性に関する情報の氾濫やテレホンクラブ等の性を売り物とする営業の増加に伴い、特に児童の性的な被害が増加していることから、不法事案の積極的な取締り等による環境浄化を図るとともに、地方公共団体の青少年保護育成条例等について地方公共団体に各種の助言や情報提供を行うことや、性や暴力に関する有害図書類等が青少年に販売されないよう関係団体へ働きかけることなどを推進する。さらに、関係機関・団体等と連携して児童の権利の保護や青少年を取り巻く有害環境浄化に関する広報・啓発活動を推進する。

エ 女性に対する暴力に関する調査研究

  • 被害の実態把握

    女性に対する暴力について的確な施策を実施し、社会の問題意識を高めるため、定期的な実態把握のための調査を実施する。また、効率的な実態把握のため、既存の統計調査についても、統計データの活用や調査項目の見直しを検討する。

  • 加害者の研究

    矯正施設に収容された加害者を対象とした各種教育的働きかけの充実を図るための調査・研究に努め、また、保護観察に付された加害者を対象に指導監督、補導援護の充実を図るとともに、効果的な保護観察の実施方策についての調査、研究を行う。

内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、厚生労働省、関係府省

(2)夫・パートナーからの暴力への対策の推進

夫・パートナーからの暴力は、被害が潜在化しやすく、公的な対応もとられにくかったが、夫・パートナーからの暴力を社会的問題と認識し、積極的な公的対応をとることが急務である。

このため、緊急的対応として、相談や緊急一時保護を行い、事例に応じて加害者の検挙、暴力行為等の禁止の仮処分等の措置を迅速に講じるとともに、当面の生活の場の確保等、次の段階の対応を行い、最終的には家事調停や訴訟の活用及び自立支援が必要である。

こうした取組を的確に講じていくため、各種施策の充実や既存の法制度の的確な実施や一層の活用を行うとともに、それらの状況も踏まえつつ、新たな法制度や方策などを含め、幅広く検討する。

ア 関係機関の取組及び連携の推進

  • 関係機関の取組

    警察においては、平成11年12月に制定した「女性・子どもを守る施策実施要綱」等に沿った取組の一層の推進を図っていくとともに、これらに基づき、被害女性の意思を踏まえ、検挙その他の適切な措置を推進する。また、主として女性警察職員を担当者とする「女性に対する暴力」対策係を各警察署に設置し、被害者の立場に立った対応を進める。

    人権擁護機関においては、人権相談等において、夫・パートナーからの暴力を十分理解した積極的対応に努める。

    婦人相談所においては、緊急一時保護や各種相談活動において、機能等の充実や広域措置の推進に努める。

  • 関係機関の連携

    夫・パートナーからの暴力への対応を事例の段階に応じて効果的に講じるため、犯罪が行われたおそれがある状況が認められた場合や自立支援が必要な場合及び加害者の追跡から逃れる必要がある場合など様々な被害者の状況に応じて関係機関や関係者が有機的に連携していくような方策について検討する。また、関係者による通報についても守秘義務との関係も含め検討する。

    さらに、いわゆる民間シェルターや社会福祉法人など民間組織との関係や、活動の支援等の連携の在り方についても検討する。

イ 相談体制の充実

  • 相談体制の充実

    警察においては、各都道府県警察の相談窓口を利用しやすくしたり、事情聴取に当たっては、被害者を夫から引き離して別室で行うことなどにより、被害者が相談・申告しやすい環境の整備を図る。

    人権擁護機関においては、全国の常設相談所等において相談を受けるとともに、専用相談電話「女性の人権ホットライン」を設置し、女性のための特設人権相談所を随時開設するなど、相談体制の充実強化を図る。

    婦人相談所においても職員研修などを通じて相談機能の充実に努める。

    さらに、24時間対応できる公的な専門的相談体制について検討を行う。

ウ 被害者の保護・自立支援

  • 緊急一時保護

    婦人相談所等への警備員の配置により被害女性の安全を確保する等、緊急一時保護等の体制の充実を図るとともに、必要に応じ他の都道府県に被害者を移送する広域保護を推進する。さらに、緊急一時保護について、その制度的位置付けも含め幅広く検討する。

  • 自立支援

    福祉事務所や公共職業安定機関、公共職業能力開発施設等関係機関の連携を推進し、生活保護、職業紹介、職業訓練などの制度を活用して、適切に自立支援の方策の措置を講じるように努める。

エ 暴力行為への厳正な対処等

  • 暴力行為からの安全の確保

    加害者の暴力や接近などを禁止して被害者の安全を確保するために活用される、民事保全法に基づく仮処分や家事審判規則上の調停前の仮の処分などの制度について、関係者に手続や民事法律扶助制度などに関する情報提供を行う。さらに、制度の十分な活用を図る方策や制度の実効性の確保等について、法制度の在り方も含め幅広く検討する。

    また、ストーカー規制法の趣旨、内容について周知を図るとともに、同法に抵触するものについては、同法に基づき、警告・禁止命令等の行政措置、検挙措置等により厳正に対処する。

  • 被害者の立場に立った厳正かつ適切な対処の推進

    夫・パートナーからの暴力については、家庭内の事案であることのみをもって犯罪とならないものではなく、暴行罪、傷害罪、強姦罪等、刑事事件として立件できる場合は、夫婦等という関係に配慮しつつ、被害者の意思を踏まえ、検挙その他の適切な措置を講じて、厳正かつ適切に対処する。刑事事件として立件できない場合についても、事案に応じて適切な自衛・対応策を教示するとともに、必要があると認められる場合には、相手方に指導警告するなどして、被害者への支援を行う。

内閣府、警察庁、法務省、厚生労働省、関係府省

(3)性犯罪への対策の推進

性犯罪の被害者は、暴力により身体的精神的に大きな被害を受けるとともに、第三者の心ない言動によっても精神的に大きな傷を負う場合がある。このため、性犯罪に関しては、加害者の責任を厳正に追及するとの立場に立って、性犯罪捜査員の拡大等の捜査体制の強化を図るとともに、被害者が安心して被害を届け出ることができる環境づくり等の性犯罪の潜在化防止に向けた施策を推進する。また、性犯罪捜査に当たっては、犯罪の特性を十分に踏まえ、被害者の心情に配慮した事情聴取や被害者への情報提供を推進し、関係機関との連携の強化も図りつつ被害者の精神的負担の軽減に努める。

ア 性犯罪への厳正な対処

  • 関係諸規定の厳正な運用と適正かつ強力な捜査の推進

    女性に対する性犯罪への対処のため、強姦罪、強制わいせつ罪、児童福祉法の淫行をさせる罪等、関係諸規定を厳正に運用し、適正かつ強力な性犯罪捜査を推進するとともに、適切な科刑の実現に努める。

  • 性犯罪捜査体制の整備、性犯罪捜査員の育成

    全国の都道府県警察本部に設置している性犯罪捜査指導官及び性犯罪捜査指導係を効果的に運用するとともに、各都道府県警察署で指定している性犯罪捜査員について、その育成と体制の拡充を推進する。

  • 性犯罪の潜在化防止に向けた取組

    「性犯罪被害110番」の活用や女性の警察官による事情聴取体制についての広報等、性犯罪被害に遭った女性が安心して警察に届出のできる環境づくりのための施策を推進し、性犯罪被害の潜在化防止に努める。

イ 被害者への配慮

  • 指定被害者支援要員制度の効果的運用

    指定された警察職員が事件直後から被害者に付き添い、被害者のニーズを踏まえた適切な被害者支援活動を実践する。

  • 被害者の心情に配慮した事情聴取等の推進

    被害女性からの事情聴取に当たっては、その精神状態等に十分配慮するとともに、被害女性が安心して事情聴取に応じられるよう、女性警察官の配置、活用や被害者の心情に配慮した事情聴取等の推進に努める。

  • 関係機関との連携の推進

    被害者に対する被害後の早急な診断・治療、証拠物件の採取等において被害者の負担を軽減するため、全国的に構築している産婦人科医師会等とのネットワークの充実強化に努める。

  • 被害少女に対する支援活動の推進

    心身ともに成長途上にある少女が性犯罪による被害や家庭内での性的虐待による被害等を受けた場合、その後の健全育成に悪影響を与えるおそれが大きいことから、被害少女の精神的負担を軽減し、その立ち直りを支援するための活動を積極的に推進する。

  • 被害者連絡等の推進

    捜査の状況などを連絡する警察の被害者連絡制度や加害者がどのような処分を受けたかなどを通知する検察の被害者等通知制度に基づき、被害者に対する情報提供を促進し、精神的負担の軽減に努める。

    また、被害者に対し、犯罪者の刑務所からの釈放に関する情報を通知する制度の導入について、犯罪者の改善更生やそのプライバシーに与える影響をも考慮しつつ、検討を進める。

警察庁、法務省、厚生労働省

(4)売買春への対策の推進

売買春は、女性の性を商品化し、金銭等により売買するものであって、女性の尊厳を傷つけ、女性の人権を軽視するものであり、決して許されるものではない。特に児童買春と外国人女性による売買春については、国際的にも大きな問題になっている。

売買春の根絶に向けて、関係法令の厳正な運用を行い、取締りを強化するとともに売買春の被害からの女性の保護、社会復帰支援のための取組を進める。

ア 売買春の取締りの強化、売買春からの女性の保護、社会復帰支援

  • 売買春の根絶に向けた取締りの強化等

    女性が売買春の被害者とならないよう、売買春の根絶に向け、売春防止法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ法」という。)等の関係規定を厳正かつ適切に運用し、売春の周旋行為等の取締りの強化を図る。

  • 社会復帰支援の充実

    売春を行ったために保護観察に付された女性に対しては、社会の中で通常の生活をさせながら、必要な指導等や就職の援助、生活環境の調整等を行うことにより、再び売春を行うことのないよう社会復帰を支援する。また、刑務所、少年院及び婦人補導院における矯正教育の一層の充実に努める。

  • 売買春からの女性保護

    売買春を未然に防止するため、経済的、精神的に不安定な状態にある女性に対して広く相談に応じる中で、売春をするおそれのある女性を早期に発見し、指導する等、婦人相談所及び婦人保護施設並びに婦人相談員による婦人保護事業の積極的な実施に努める。

イ 児童買春に対する対策の推進

  • 児童買春の根絶に向けた取締りの強化

    児童買春は、児童の権利に対する重大な侵害であり、その心身の成長に甚大な悪影響を及ぼすおそれがあることから、児童買春・児童ポルノ法に基づく取締りを厳正かつ的確に推進する。また、事件の捜査・公判において児童の人権及び特性に配慮する。

  • 相談体制の充実

    児童買春の被害者となった児童に対し、相談、一時保護、児童養護施設等への入所などを行い、場合により心理的治療を行うなどその心身の状況に応じた適切な処遇を行う。

    子どもや保護者を対象とする電話相談事業等の相談体制の充実に努める。

    また、学校教育の場においても、児童買春等により心身に被害を受けた児童・生徒を学校において発見した場合には、プライバシーに十分配慮した上で、学級担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどの学校の職員が一体となって相談に乗ったり、関係機関と連携をとるなど、より適切な措置を講じる。

ウ 国際的動向への対応

  • 国際的動向への対応

    児童買春や人の密輸(トラフィッキング)の問題に関し、平成12年11月に国連総会において採択された「国際組織犯罪条約(仮称)」、「人の密輸議定書(仮称)」及び平成12年5月に国連総会において採択された「児童売買、児童買春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書(仮称)」等の趣旨を十分に踏まえつつ、各国と協調し、これら問題の解決に向け引き続き積極的に取り組む。

  • 自立支援

    福祉事務所や公共職業安定機関、公共職業能力開発施設等関係機関の連携を推進し、生活保護、職業紹介、職業訓練などの制度を活用して、適切に自立支援の方策の措置を講じるように努める。

    また、一層の国際的な協力促進を呼びかけるため、我が国で平成13年に開催される「第2回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」などの国際会議を含め、国連等の国際的フォーラムに積極的対応を行う。

警察庁、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省

(5)セクシュアル・ハラスメント防止対策の推進

セクシュアル・ハラスメントは、対象となった女性の個人としての尊厳を不当に傷つけ、能力発揮を妨げるものであり、社会的に許されない行為である。

雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメントについては、男女雇用機会均等法等に基づき、企業に対する周知啓発、指導を強化するとともに、セクシュアル・ハラスメントによって精神上の苦痛を受け、心理的なケアを必要とする者からの相談体制の充実を図る。また、雇用以外の場におけるセクシュアル・ハラスメントについても、その防止に向けて、必要な対策をとる。

ア 雇用の場におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策等の推進

  • 企業等におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策

    男女雇用機会均等法のセクシュアル・ハラスメントに関する規定に基づき、セクシュアル・ハラスメント防止に関する事業主等の認識を高め、防止対策の徹底を図るとともに、実際に個別の問題が生じた場合に適切な対応がなされるよう企業に対する支援を積極的に行う。

    また、セクシュアル・ハラスメントによって、女性労働者が深刻な精神的苦痛を受けているケースや、結果的に退職を余儀なくされるケースも見られることから、専門的な知識、技術を持ったセクシュアルハラスメントカウンセラーの設置・活用等により、女性労働者に対する相談体制の充実を図るとともに、個別事案が生じた場合の適切な対処について企業に対する助言を行う。

  • 国家公務員のセクシュアル・ハラスメント防止対策

    男女雇用機会均等法が適用されない国家公務員については、人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)(平成10年11月、人事院規則)及び人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)の運用について(平成10年11月、人事院事務総長通知)等に基づき、研修等の防止対策をより組織的、効果的に推進する。

イ 雇用以外の場におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策等の推進

  • 教育等の場における対策

    文部省におけるセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程(平成11年3月、文部省訓令第4号)に基づき、各国立学校等に対し、セクシュアル・ハラスメントの防止のための研修の実施や苦情相談体制の整備、学内規程の制定などの取組が適切になされるよう指導に努める。また、公私立学校等に対しても、セクシュアル・ハラスメントの防止のための取組が進められるよう支援を行う。

    このほか、請負形態など直接雇用関係にない労働や社会福祉関係等の場においても、今後取組が進められるよう支援を行う。

全府省

(6)ストーカー行為等への対策の推進

ストーカー行為等は、それ自体、被害者の生活の平穏を害する行為であるとともに、行為が次第にエスカレートし、被害者に対する暴行、傷害、ひいては殺人等の凶悪犯罪にまで発展するおそれのあるものであり、ストーカー規制法を適切に運用することによって、被害者が早期に相談することができるよう必要な措置を講じ、関係機関が被害者の立場に立った迅速かつ適切な対応・支援に努め、あわせて、ストーカー対策に係る広報活動を推進していく。

ア ストーカー行為等への厳正な対処

  • ストーカー行為等への厳正な対処

    被害者からの相談、申出を受けて、警告等の行政措置、検挙措置及び被害者保護活動を的確に遂行するための体制を整備するとともに、ストーカー規制法に抵触する行為に対しては、同法に基づいた警告、禁止命令等の行政措置、検挙措置等を講じていく。

    また、ストーカー規制法に基づく警告、禁止命令等の実施状況、援助事例及びストーカー行為者についての情報を警察全体で共有し、ストーカー規制法の運用を推進するため、これらの情報に関するデータベースの整備を検討する。

  • 国家公務員のセクシュアル・ハラスメント防止対策

    男女雇用機会均等法が適用されない国家公務員については、人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)(平成10年11月、人事院規則)及び人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)の運用について(平成10年11月、人事院事務総長通知)等に基づき、研修等の防止対策をより組織的、効果的に推進する。

イ 被害者の支援及び防犯対策

  • 被害者の支援及び防犯対策

    ストーカー規制法に基づき、被害者からの申出に応じた自衛措置の教示等の援助のほか、携帯用自動通報装置の整備等各種被害防止策を的確に実施する。また、関係行政機関・団体との連携を強化して、効果的な被害者支援を推進する。

    さらに、ストーカー行為等の実態等の分析に基づく被害防止策に関する調査研究や民間企業が提供しているストーカー行為の被害防止に効果的な各種サービス及び防犯機器に関する調査研究の実施を検討する。

全警察庁
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